にゃん。兄姫(えひめ)にゃ。
この頃、ご主人がお出かけ中でお留守がちにゃの。
放っておかれるあたちもさくにゃあも、少しイジケ気味。
ご主人が居ないと何となく食欲も進まないんにゃよ。
お母さんにおやつをねだるのも面倒になっちゃうぐらい。
そうやってウジウジしていたら、ご主人たらあたちに新しい玩具を用意してくれたんにゃ。
手袋みたいに手を入れて、あたちにひっかかれても噛みつかれても猫キックを浴びせても痛くないぬいぐるみ。
口もぱくぱく動くから、あたちの戦闘意欲も攻撃本能も満足させてくれるし、思いっきり暴れてもご主人に被害がない、ってところが一番良いにゃ。
今までは、ちょっとじゃれてもご主人の体のあちこちにひっかき傷がついたり痛い思いをさせちゃっていたから、あたちとしては遠慮していたこともあるし、それがなくなっただけでもすんごく楽しいにゃ。
これであたちのストレスも解消されそう。
でも、ご主人がまめにかまってくれるのが一番良いんだけどにゃ。
まあ、それはご主人にもご用事も都合もあるから、あたちの我が儘なのは充分承知しているにゃよ。
でも、猫って我が儘なものにゃもの。
あたちがこうやって呟いていても別にかまわないと思うんにゃ。
黒猫日記209
みゃお。朔太郎にゃ。
お母さんは今まで読めなかった本を夢中で読んでいるにゃよ。
文明の利器というか科学の発達に感謝、という気分らしいにゃ。
これでお母さんのストレスが軽減されて僕らに対する対応が優しくなるのは歓迎するところなのにゃ。
まあ、お母さんが僕らを好きなのは充分に判ってはいるんにゃけど、いかんせんその愛情表現が厳しい。
僕らは可能な限りお母さんに近づかないようにしているくらいにゃ。
そるにお母さんはご主人を独り占めにしちゃうんにゃもん。
なにかというとお外に連れ出して帰ってこないし、ずっと話し込んで僕らを無視してくれるし。
お母さんはろくなことをしない。
僕らからご主人を捕るばかり。
時々、だからお母さんの暗殺計画を企ててしまう僕らを誰が責められようか。
といっても足元をうろつくだけにゃをだけどね。
それで転んで足でも折ってくれたらょご主人は僕らのもの。
なんだか悪巧みをしている僕らなのでした。
こんな僕らは悪い子なのかしら。
にやんにやん。
黒猫日記208
んにゃ。朔太郎にゃ。
お母さんがタブレットに夢中で、僕達をかまわないので、僕と姫猫はいたって平穏な日々を送っているにゃ。
それでも毎日のご主人の取り合いっこは、僕達のコミュニケーション手段にゃんだ。
とはいえ、僕は気は優しくて力持ち。姫猫と本気で喧嘩する訳ないにゃよ。
そうなの。朝晩のご飯の順番だって姫猫に譲っているし、ご主人の腕枕だって譲ってあげているし。
そう、自主的に譲ってあげているにゃ。
決して姫猫の迫力に負けている訳ではないにゃ。
確かに猫パンチの応酬でもにらめっこでも僕は姫猫には勝てない。
それは女の子相手に本気を出すのは男らしくない、と思っているからで、僕だってやる時はやるんにゃ。
「嘘つけ、このへたれ!」と笑うご主人の声が聞こえてきそうにゃけど、僕は全然気にしないにゃ。
僕は男というものはそういうものだと思っているもの。
でも、お母さんやご主人に、面と向かって「へたれ!」と笑われるとちょっと傷つくにゃよ。
まあ、玄関から外に出られないとか、姫猫に怒られるとすぐに引き下がるとか、言い逃れできないことも多々あるんにゃけどね。
でも僕はそれが男らしいと思っているからしょうがないよね。
果たして僕は、ご主人の言う通り「へたれ」なのかにゃあ?
ご主人は僕のそんなところも可愛い、って言ってくれるから、もうそれで良いにゃ。
こんな僕は変にゃんだろうか?
どう思う?
黒猫日記207
みゃあ。朔太郎にゃ。
お母さんたらとうとうタブレットなるものを買ったんにゃよ。
ご主人と色々調べていたのは知っていたけど、どうせいつもみたいに話だけで終わると思っていたんにゃ。
でも、今回は本気にゃったんにゃね。
タブレットでなら、電子書籍を拡大することが出来るから、視力の落ちたお母さんでも読めなかった本が読める、ということが決め手になったみたい。
以来、お母さんは新しい玩具を手に入れたこどもみたいにタブレットにかじり付いて本を読んでいるにゃ。
おかげで僕と姫にゃあは、普段はしつこいお母さんの愛情表現から逃れることが出来て、ちょっと嬉しい。
なんていったってお母さんの愛情表現は、濃厚でしつこいの。
やたらと抱っこしたがるし、なで回すし。
猫には猫の都合とか自由がある、とか考えてくれていないんにゃよね。
僕も姫にゃあもご主人に抱っこされたりするのは好きなんだけど、そうやってしつこくするお母さんに抱っこされるのは嫌いにゃんだ。
まあ、お母さんだからしかたない、とは思うんにゃけどね。
これで暫くはお母さんからの愛情の押し付けが止むかと思うと、なんとなくほっとする僕達二匹なのでした。
にゃんにゃん。
黒猫日記206
にゃ。朔太郎にゃ。
僕、この頃思うんにゃけど、絶対おうちの人達は僕より姫にゃあを贔屓しているにゃあよ。
にゃんだかご主人を筆頭に、みんなして姫にゃあを甘やかしているように思えるんにゃ。
何か悪さをしても僕だと目一杯怒られるんにゃけど、姫にゃあだとそれほど怒られないし、呼ばれる時も姫にゃあの時は猫なで声にゃんだもん。
姫にゃあの毛皮はほわほわですごく抱き心地が良いとかで、みんな抱っこしたがるから、という理由はあるんにゃ。
それは判る。判るんにゃけど、納得がいかにゃい。
姫にゃあだと良くて僕だとだめ、ってことがちょこちょこあると僕だってイジケる。
ね、イジケていいにゃよね。
ご主人と一緒に寝ていても、僕はレオン猫に追い出されて朝まで一緒にいられないけど、姫にゃあは平気で一緒にいられるんにゃよ。
今やご主人の守護霊になっている先輩猫のレオン君にまで姫にゃあは贔屓されているにゃ。
僕の立場は弱くなる一方。
トイレの窓から落っこちてから余計に肩身が狭いし。
絶対おうちの人達は僕より姫にゃあの方が可愛いんにゃ。
これって、僕のやっかみだと思う?
そうだとまだ救われるような気がするんにゃけどね…。んにゃあ。
黒猫日記205
みゃお。朔太郎にゃ。
陽気が良くなってきたね。
おかげで僕には野生の呼び声が聞こえてきて、お尻がムズムズしてくるんにゃ。
にゃから必死でトイレの扉を開けるとついつい窓から顔を出しちゃう。
そうすると、足元が危ないので、そんな気はないのに足を滑らせておうちの外に出てしまう。
そして見つけてもらうまでお隣との狭間で縮こまっていることになっちゃうの。
お母さんは病気のせいで滅多にトイレに入らないから、ご主人が明け方トイレに入ったのを物音で判断して「ヘルプ!」の声を上げるんにゃ。
ご主人は流石に僕の声がすぐ判るみたい。
トイレの窓からまず、「さく?」って呼びかけてくれるの。
僕がお返事をすると慌ててお外に飛び出して、僕が隠れている場所を見つけてくれるんにゃ。
それでやっと救い出された僕は、安全なおうちに戻れるんにゃけど、それからがまた大変にゃんだ。
姫にゃあに嫌われるの!
お外に出て、違う臭いを付けてきた僕に、ふうっ!って怒るの。
「あたちの知ってるさくにゃあじゃない!知らない猫はあっち行け!」って言っているの。
にゃあ。大好きな姫にゃあに嫌われちゃったよお。
近づいたらふうっ!って言うものだから、ご挨拶も、親愛の情を示す毛繕いも出来やしない。
僕はただひたすら姫にゃあが許して受け入れてくれるのを待つ以外ないのにゃ。
前回は三日間かかったのにゃ。
気が立っている姫にゃあは怖いし、僕はしょげちゃうしで、ご主人も結構大変。気を使ってくれるにゃ。
家出する気はないのに家出した結果がこれにゃ。
全く良いことがないのにトイレの窓から覗くのを止められないのは何故なんにゃろう?
反省したくても誘惑には逆らえない僕なのでした。にゃあ。
姫猫日記6
にゃん。兄姫(えひめ)にゃ。
ねえ、聞いて、聞いて。
あたち、頑張ったの。
お父さんのビールの入った段ボール箱の陰で、息を潜めて待っていたの。
このところ天井裏を我が物顔で走り回るあいつ。
そう、ねずみ。
夜になって台所仕事が終わると、下に降りてくる、って知っていたの。
だから、真っ暗な台所の隅で、ひたすら待ち構えてやったの。
そうしたら案の定、あいつは現れたの。
あたちは猛ダッシュで飛びつき、一撃で捕獲。
意外と簡単だったにゃ。
しばし弄んでやってから、おもむろにご主人の元へ。
ご主人の前に行くとご主人たら変に裏返った声で「えらい、えらい。」って褒めてくれたにゃ。
あたちは得意絶頂で、お母さんにも見せびらかしたにゃよ。
そのあと、まだ生きていたあいつを、ご主人が始末しようとしたんにゃけど、ご主人たら腰が引けておっかなびっくり。
まごまごしているところであいつは隙を見つけたらしく逃走。
あたちはすぐさま追いかけたんにゃけど、冷蔵庫の下に潜り込まれて結局あいつに脱走されちゃったにゃ。
もう、ご主人たら何をやっていることやら。
せっかく捕ったねずなのに、まんまと逃げられるにゃんて。
さすがにご主人も残念だったのか、「ねずは苦手なんだよ~。お父さんがいたら良かったんだけど。」だって。
そうなの。お父さんはお仕事で留守だったの。
そしてご主人は半分安心のため息。
でも、あたちは諦めきれずにしばし待機。
だけどあいつも命がけ。もう広い所まで出て来ない。
結局、あたちのハンティングはご主人のせいで不成功に終わったみたい。
まあ、ご主人が良いならそれでも良いかにゃ。
ねずの完全捕獲はまたの機会でもあたちはかまわにゃいし。
そうしたらまた褒めてもらえるし。
でも何でご主人はねずが苦手にゃんだろうにゃあ。あんな面白いおもちゃは滅多にないのにね。
また捕まえよおっと。
黒猫日記204
にゃおん。朔太郎にゃ。
うちの人達のアニメ好きはしょっちゅう話題に上らせているような気がするけど、またお気に入りが出来たみたいだから報告するね。
ご主人が今一番はまっているのが「鬼灯の冷徹」ってアニメにゃんだ。
地獄の鬼の鬼灯さまが活躍するアニメ。
お父さんと二人して楽しみにしているにゃ。
お母さんにはおもしろさが解らないみたいにゃけど。
オープニングの歌もお気に入りのご主人は「着うた」にしたぐらい。
あと、三人して気に入っているのが「となりの関くん」
十分しかない短いアニメなんにゃけど、アクセントが効いていて妙に笑えるところが面白いんにゃって。
こちらのオープニングはお父さんのお気に入り。
最後に入る台詞の「やめて」にはまっているんにゃ。
訳わかんにゃい。
にゃんだかアニメ好きが輪をかけてきているにゃあ。
この分だとこの家族、どうなっていくんにゃろう。
オタク街道まっしぐらかも。
笑えないにゃあ。
姫猫日記5
んにゃ。兄姫(えひめ)にゃ。
姫にゃあと呼んでね。
お父さんは「ちび」って呼ぶのよね。
ご主人は「姫ちゃん」て呼んでくれるの。
あたち、ご主人に呼ばれるのが好きにゃの。
呼ばれるとすぐ駆けつけちゃう。
わんちゃんじゃあないんだから、って言われるけど、ご主人に呼ばれるのは別格にゃのよね。
お母さんやましてやお父さんが呼んでもそんな気ににゃらないもん。
ご主人限定にゃの。
ご主人が大好きにゃの。
にゃからトイレに目お風呂にもついて行くの。
トイレのドアの前でひたすら鳴くし、お風呂場の扉は開けるし。
終いには風呂桶に落っこちちゃうけど、ご主人と一緒がいいの。
肩に乗っかって移動は序の口。
ご主人の半天に埋もれてのお昼寝も大好き。
ご主人の匂いに包まれて、ってすごく幸せ。
まあ、それはご主人のいない時の話だけどもね。
あたちのご主人は結構忙しい人で、ずうっと一緒にはいてくれないんにゃ。
それがあたちには不満にゃんだけど、ご主人にはご主人の事情があるんにゃ、と思って我慢しているにゃ。
でも、寂しいのがたまらなくなると半天にくるまるの。
ご主人はあたちの気持ちが解るのかしらね。
「姫ちゃんは可愛い。」ってぎゅうしてくれるにゃ。
あたちもそんなご主人にメロメロにゃ。
ご主人を独り占めできたらいいのに、と思う今日この頃なのにゃ。
黒猫日記203
みゃお。朔太郎にゃ。
今年の冬は、変なお天気でびっくりしたにゃあよ。
あんなに雪が積もったのは何十年かぶりにゃんだって。
ご主人たら積もった雪に僕のことを立たせて喜んでいたよ。
白と黒のコントラストが面白いんにゃって。
僕の毛皮に付いた雪の結晶の形にも感動していたけどね。
まあ、所詮雪が珍しい人種にゃからしようがないのかな。
お母さんはもう雪はこりごりにゃんだって。
雪には良い思い出が一つもないから。
何があったのかは知らないけど、人間て大変なのかな。
僕たちよりずっと長く生きるものね。色々あるんだろうね。
でも、あんなに綺麗なものを楽しめないのは寂しいと思うよ。
僕は、寒くて冷たいのは苦手だけど、見ているだけなら雪も良いかも、って思っちゃう。
たまになら積もった雪でご主人と戯れるのも良いかな、なんてね。
猫の台詞じゃないか。
にゃんにゃん。