みゃお。朔太郎にゃ。
陽気が良くなってきたね。
おかげで僕には野生の呼び声が聞こえてきて、お尻がムズムズしてくるんにゃ。
にゃから必死でトイレの扉を開けるとついつい窓から顔を出しちゃう。
そうすると、足元が危ないので、そんな気はないのに足を滑らせておうちの外に出てしまう。
そして見つけてもらうまでお隣との狭間で縮こまっていることになっちゃうの。
お母さんは病気のせいで滅多にトイレに入らないから、ご主人が明け方トイレに入ったのを物音で判断して「ヘルプ!」の声を上げるんにゃ。
ご主人は流石に僕の声がすぐ判るみたい。
トイレの窓からまず、「さく?」って呼びかけてくれるの。
僕がお返事をすると慌ててお外に飛び出して、僕が隠れている場所を見つけてくれるんにゃ。
それでやっと救い出された僕は、安全なおうちに戻れるんにゃけど、それからがまた大変にゃんだ。
姫にゃあに嫌われるの!
お外に出て、違う臭いを付けてきた僕に、ふうっ!って怒るの。
「あたちの知ってるさくにゃあじゃない!知らない猫はあっち行け!」って言っているの。
にゃあ。大好きな姫にゃあに嫌われちゃったよお。
近づいたらふうっ!って言うものだから、ご挨拶も、親愛の情を示す毛繕いも出来やしない。
僕はただひたすら姫にゃあが許して受け入れてくれるのを待つ以外ないのにゃ。
前回は三日間かかったのにゃ。
気が立っている姫にゃあは怖いし、僕はしょげちゃうしで、ご主人も結構大変。気を使ってくれるにゃ。
家出する気はないのに家出した結果がこれにゃ。
全く良いことがないのにトイレの窓から覗くのを止められないのは何故なんにゃろう?
反省したくても誘惑には逆らえない僕なのでした。にゃあ。