レオン猫の日記125

『ねえ』

ねえ、

春の日の日向の匂い

ねえ、

包み込んでくれるやわらかな毛並み

ねえ、

甘えてすり寄るくすぐったさ

ねえ、

もうおしまいになっちゃったの?

あれだけ一緒だといったのに?

あれだけ離れないといっていたのに…

ねえ、

おいていっちゃうの?

ねえ、

憎まれ口をきいたり

わがままを言ったり

駄々をこねたり

手を焼かせたり

だけど

ねえ、

無くてはならない存在だったんだよ…

傍にいてくれるだけで

見つめていてくれるだけで

良かったのに…

ごめんね

やっぱり笑っては見送れない

やっと痛みから解放されて

自由になれたのにね…

喪失感のあまりの重さに

押し潰されそうだから

笑えない

泣けない

ねえ、

ねえ、ねえ…

十一月八日 午後十時四十分 れおん猫が永眠しました。

レオン猫の日記124

あ、どーも。れおん猫の飼い主です。今回はれおん猫の困った性格、及び行動について愚痴をこぼさせて下さい。ほんと、近頃酷いんです。

まず、焼き餅焼きが酷いんです。うちに誰かが来ると、大概私が応対に出るんですけど、その相手が男性だった場合、ドアの向こうで鳴き叫ぶんです。例え相手が宅配便の配達でも、です。この間、クロネコさんに笑われました…。

次に、まだイマイチ体調が安定しないので獣医さんに連れて行くんですが、うちでは足が痛い、動けない、食欲がなくて食べれない、とさんざんアピールしておきながら、診察台の上に乗せると、「僕、どこも痛くない。具合悪くなんかない。」としらんぷり。そして試しに、と出して貰った猫缶を、三日もご飯を貰ってないかの勢いでガツガツ。私は恥ずかしくて顔から火が出そうになりましたわ。まあ、好き嫌いの激しい我が儘猫で、同じ種類や同じ味のものは拒否する奴なんですけど、こちらも長い付き合いだから、しっかり毎回違うご飯を用意していたんですよ!

それから、この頃あいつは霊体離脱を覚えたみたいなんです。時々母親と出かけるんですが、そんな時母親が、私の左肩の上に乗っかっているれおん猫が見える、って言うんです。うちの母親はそういう類のものが見える質で、私はそういうものに頼られる質だそうです。どうやら、眠っている間に離脱して私について歩いているらしいです。う~、生き霊かよ!道理でこの頃肩こりが酷いと思ったわ…。

ねえ、どう思います?愚痴をこぼしたくなるのも分かると思いません?まあ、元気で長生きしてくれたら文句はないんですが、霊体離脱はちょっと心配な現象ですよね。はあ~。悩みの尽きない飼い主です。

レオン猫の日記123

ふにゃあ。れおん猫にゃ。
ねえ、このところ昼間は暖かいのに朝晩寒いと思わにゃい?ご主人たらとうとう厚い方のお布団を引っ張り出したのにゃ。寝冷えして、朝、お腹を痛くしたんにゃって。だから僕が一緒に寝てあげる、って言ったのに。ぴんかの方がいいって抱っこしているからそうなるにゃよ。まったく、あの新入りのピンクのイルカのぬいは、生意気で気にくわにゃいったら。いくらほわほわで抱き心地がいいからってにゃんなのさ!いいもん。お父さんの羽布団で寝てやるから!ってイジケていたら、ご主人ったら僕を置いて大阪に行っちゃった!にゃー!にゃー!ご主人の意地悪!こんな風にして置いてけぼりにするから、僕はこのところ眠っている時には霊体になってご主人の左肩に乗っかっちゃうんにゃ。こればかりは僕のせいだけではにゃいと思う!僕は断言する!

(あのう…、やっぱ、左肩に乗っかってます?う~、肩こりが悪化するからあれほどやめて、って言ったのに。私だって色々と出かける用事はあるんですよ。そんなに見張られていたら、彼氏を見つけにもいけないじゃないのさ。あ~あ。私の青春は…。by飼い主)

レオン猫の日記122

ふにゃあ。れおん猫にゃ。
朝晩寒くなって来たにゃあ。うちの近所の金木犀がとってもいい匂いにゃよ。今日はお天気が良くて、僕は出窓に乗って日向ぼっこを決め込んでいたにゃ。この間、出窓から落っこちてから、僕は右手を痛めているので、乗っかるのも一苦労にゃ。おまけにご主人ったらまた落っこちたらたまらない、って出窓の下で僕を見張るんにゃよ。僕ってそこまで耄碌しているように見えるにゃ?まだまだ若いつもりでいるんにゃけどにゃあ。まあ、ここんとこ筋力が落ちているかも、って思うこともあるけど、病み上がりだものしょーがにゃいよね?僕の体調が安定しているから、この頃ご主人ったら遊びに行くことが多くなったのにゃ。結婚したお友達に赤ちゃんが産まれたとかで、気持ち、焦っているらしいにゃ。大体、僕という者がありにゃがらにゃんで彼氏が必要なんにゃ?信じらんにゃい!えーい、生き霊になってやる…。ずうっとご主人の肩に乗っかっていてやるぅ!

(ひょっとして、私の肩こりの原因って、れおん君なの?!ひえ~!やめてくれ!道理で重たいと思った!by飼い主)

レオン猫の日記121

にゃん。れおん猫にゃ。今日も雨にゃね。秋の長雨って言うけど、僕は雨の日、嫌いにゃ。濡れ猫になっちゃうんにゃもん。

それはそうと、秋って何でお腹が空くんにゃろうね。僕のご飯は一日二回って決まっているんにゃけど、この頃特にお腹が空いて、ご主人達がお昼ご飯を食べているとついつい「ちょーだい!」ってせびってしまうのにゃ。ご主人は僕のためにならない、って分けてくれないんにゃけど、お母さんは目が悪いからしょっちゅうテーブルの下に美味しい物を落っことすにゃよ。僕はそれをいただいちゃうにゃ。ラッキー、ってね。でも今日は珍しくご主人がご飯を分けてくれたにゃ。カップ焼きそば。大盛りのを作ったら食べきれなくなったとか言ってたけど、なんでもいいにゃ。美味しけりゃ。にゃ。ソースがたっぷり絡んだ焼きそばは、うっとりするほど美味しいにゃ。ぷらぷらされると飛びつきたくなるんにゃよ。あれ?なんにゃかんにゃと言いながら、僕はご主人に遊ばれてるわけ?う~、ま、いーか。ご主人も焼きそばも好きだし。ごちそうさまあ。

(って、れおん君は焼きそばも啜って食べるから面白くって、ね。まあ、麺類を啜って食べる猫ってかなり珍しい、と思うよ。冬場にはうどんで楽しもうかな。by飼い主)

レオン猫の日記120

うにゃあ。れおん猫にゃ。
うちのご主人ったら肩掛け鞄に付けていたぬいぐるみのれんれん君をどこかに落っことして来ちゃったんにゃって。すごいしょげているんにゃよ。一緒に連れて帰ってきた兄弟のしんのすけ君にはものごっつー睨まれちゃうし。携帯に付けていたしろうちゃんはおっこちてもすぐに分かったのにね。れんれんは家で願望でもあったのかにゃあ。気の毒に思ったお母さんはピンク色のイルカのぴんかちゃんを仲間にしたんにゃよ。まったくこれ以上ぬいぐるみを増やしてどうするんにゃよ。昨日はそんな訳でご主人をぴんかにとられちゃって、僕は寂しくお父さんと寝る羽目になったにゃ。ぐすん。お母さんはいつだって僕の邪魔ばかりするんにゃから。いつかきっと暗殺してやる!って今朝も足許をうろついていてやったら見事に痛い右手を踏まれてしまったにゃ。ふみぃ~!

(れおん君、それは自業自得というものよ。逆恨みはよしましょう。人を呪わば穴二つ、ともいうからね。by飼い主)

レオン猫の日記119

ふにぃ~。れおん猫にゃ。
いい季節になってきたにゃあ。風さんは涼しくて、お日様はあったかい。こんな日を猫日和って言うんにゃね。日向ぼっこに最適にゃ。それなのに僕は、昨日ご主人に強制的に病院に連れて行かれたにゃ。毎年恒例のワクチンを打たなくちゃいけなかったのもあるんにゃけど、おととい僕がまた出窓から落ちちゃったからなのにゃ。熟睡していて落ちたものだから、体勢を立て直すことも出来なくて、見事に右手を挫いちゃったにゃ。ご主人は僕がひょこたん歩きをしていたり、ちょっとのことで悲鳴を上げるのを見て病院に連れて行くことにしたんにゃって言うけど、お医者さんが大っ嫌いな僕には余計なお世話にゃ。お注射も入院もまっぴら御免にゃから、僕はお医者さんの前では痛いのも必死で痩せ我慢。びっこもひかず、触られても悲鳴を上げず、表情も変えず、じっと我慢…。お陰でワクチン接種だけで帰って来れたにゃ。でもお家に着いた途端からひょこたん歩きをしている僕にご主人激怒。「痛いものを痛いって言わないでどーするの!何のために病院に行ったの!」にゃって。それはそうだけど…。分かってはいるんたけど…。何が何でもお医者さんは嫌いなんにゃ!出来る事なら足を踏み入れたくはないにゃ!そういう訳で僕はへそを曲げたご主人にそっぽを向かれているにゃ。寂しいけど、仕方にゃいにゃあ。お家にいられなくなるよりいいにゃ。

レオン猫の日記118

ふみゃあ。れおん猫にゃ。
朝晩涼しくてよく眠れるようになってきたにゃあ。僕のご主人もこの頃は朝寝坊気味で、「寝過ぎたー!遅れるぅ!」って飛び出していくにゃ。僕が一生懸命起こしているのに、無視して寝ているから悪いのにゃ。だけど、だからといって、僕のご飯をお母さんに任せて出かけるのだけは止めてくれないかにゃあ。忙しいのは判るけど、構ってくれ、とはいわにゃいから、せめてご飯はご主人から貰いたいのにゃ。そーじゃなくちゃ、寂しいにゃ。

今年は秋が早いのかにゃあ。僕は今、食欲魔神ならぬ食欲魔猫にゃ。朝ご飯を貰ってもお腹一杯にならなくて、ついつい「お代わり!」って叫んじゃう。ご主人もダイエットしていたんだけど、リバウンドプラスアルファしちゃったみたいにゃ。僕の大好きなご主人のぱいぱいがボリュームアップしているもの。女の子は少しぐらいふっくらしている方がいいと思うんにゃけどにゃ。人間の世界って僕の好みとは違うのかにゃ。でも、どんなにお肉が付こうが、骨皮さんに痩せようが、僕はご主人が大好きにゃからね!ご主人の良いところを全然判っていにゃい男共にゃんかに絶対渡さにゃいからね!

レオン猫の日記117

にゃん。れおん猫にゃ。
今年の夏はちょっと変だったにゃあ。九月に入ったばかりにゃのに、朝晩こんなに寒いんにゃんて、やっぱり地球温暖化のせいにゃのかにゃあ。でも、二酸化炭素の削減とか言って、お母さんはこの夏、エアコンの設定温度を上げちゃうものだから、僕は危うく茹で猫になっちゃうところだったし。えらいめーわく。そしてこの寒さにゃ。僕はとうとうお父さんの毛布で眠る羽目になっているにゃ。にゃって、ご主人は寝る時間が遅くって、病み上がりの僕は待ちきれなくてついついお父さんの「一緒に寝るか?」のお誘いに、眠気の余り逆らえにゃい…。お父さんの毛布のふわふわが気持ちいいっていうのもあるんにゃけど、早く寝たい、っていうのが本音にゃ。晩御飯を食べて、お母さんにブラシをかけて貰って、お父さんからおこぼれを貰うと僕は、おねむににゃってしまう。にゃのにご主人は一緒に寝てくれにゃい。ぐすん。つらいよー。ご主人、お願いだから早寝するようになってよ。いくら今、お仕事がなくて暇だからと言っても、夜昼逆転は体に良くにゃいと思うよ。

レオン猫の日記116

ふみゃあ。れおん猫にゃ。このところ朝晩涼しくなってきて体が楽だと思わにゃい?

僕は昼間の暑い時間はいつも、ご主人の机の下でぶうぶうずに囲まれて寝ているんにゃ。ぶうぶうずっていうのは、ご主人が毎晩抱っこしているぬいぐるみのぶたさん達のことにゃ。ご主人がいなくて寂しい僕は、せめてご主人の匂いが染み着いたぶたさん達の間で寝ているにゃ。そうするとご主人が帰ってくるまで気が紛れるのにゃ。病み上がりの僕は、まだ尻尾があがらにゃいんにゃよ。尻尾の感覚がなくなっちゃったみたい。尻尾はリハビリが出来なかったからねえ、ってお母さんは同情してくれるんにゃけど、お父さんったら役に立たない尻尾は切っちゃうぞ、って脅すんにゃよ。まあ、笑いながらだから僕だって本気にはしにゃいけど、お酒の入ったお父さんはめんどいのにゃ。世の中のお父さん族ってみんなあんな風なのかにゃあ。お母さんに言わすとお父さんはむっつりスケベにゃんだって。ご主人は絶対お父さんみたいな人とは結婚しない、にゃんて言っているにゃ。大丈夫にゃょ、ご主人。僕がお嫁に貰ってあげるから。心配はいらにゃいからね。