黒猫日記227

なあご。朔太郎にゃ。
おうちは築五十年を軽く越える古い家にゃから、ねずみさんがいっぱいいるみたいなんにゃよね。
先代の白猫れおん君はとってもハンティングが得意で、お外から侵入してくるねず軍団を片っ端から捕獲してご主人にプレゼントしていたんにゃ。
お母さん曰く「頭が良くて気は優しくて力持ち。それでいて頼りになって気配りができる、理想的な猫だった。」んにゃって。
お母さんは僕の性格が判ってから、れおん君と比べたりは極力しないようにしてくれているけど、れおん君を愛していた分だけ話がでるのはしようがないよね。
僕も「僕は僕」という立場を貫いて、ねずは捕らないし太郎さんのハンティングもしない。
撫でられるのは好きだけど抱っこは嫌い。
うん。だから「へたれ」と言われるのかな。
でも、気は優しいんだよ。
めえたんのお尻に敷かれている、と専らの評判だし。
まあ、めえたんは可愛いお嫁さんだからね。かまわないけど。
そうやって総評すると僕はやっぱり「ヘタレのだめ猫」らしいんだけど。まあ、いいか、と言う気分にゃんだ。
世の中波風立てないで生きていくのが一番だと思っているせいかな。
余りに偉い先輩猫と強い妻を持った悲劇かしらん。
まあ、あんまり気にしないで生きていくしかないよね。
にゃあ。諦めが肝心かしら…。にゃんにゃん。