みゃう。朔太郎にゃ。
うちの姫にゃあはこの頃とみにまあるくなったようにゃ。
お尻がぽってりとして、振り振りしながら歩くのにゃ。
モンローウォークみたい、ってご主人が笑うにゃ。
小さくなった尻尾がアクセントにゃ。可愛いんにゃ。
そして姫にゃあは、しょっちゅうご主人を舐めて、困らせているのにゃ。
特に顔とか口元とかを舐めたがるみたい。
ざらざらの舌が痛いってご主人は悲鳴を上げるにゃ。
でも、毛繕いは親愛の情の表現。拒否をすれば姫にゃあの方が傷つくから、ご主人はある程度我慢しているんにゃよ。えらいねえ。
という具合に、結構姫にゃあは甘やかされて過ごしているにゃ。
ご主人がほ乳瓶で育てた、という点だけでも僕の方が不利なのに。
なんだかご主人も姫にゃあの方が余計に可愛いみたい。
でも、こうやってボヤいている僕が一番、姫にゃあのことが大好きで可愛い、と思っているんだから仕方ないよね。
はい、僕が一番、姫にゃあに甘いです。にゃあ。
黒猫日記196
んにゃあ。朔太郎にゃ。
家出が原因で拗れていた姫にゃあとの仲も、なんとか修復できたみたい。
やっと姫にゃあと寄り添って寝かせてもらえるようになったのにゃ。
前のようにご主人の腕枕の取り合いをしながらにゃ。
ご主人の右腕は僕が死守するんにゃ。
にゃから姫にゃあはご主人の胸かお腹、下手をすれば足元で眠るんにゃ。
そうなるとご主人は寝返りも打てなくて大変。
寝ていて疲れる、って現象が起きるんにゃ。
ある意味、猫に埋もれて寝ている訳。
猫アレルギーを持っているご主人。
朝、起きてからがまた大変。
くしゃみと鼻水がとまらない。
猫好きの猫アレルギーの、これが悲しい運命にゃんだね。
人間て、なんて不便なんだろうね。
まあ、僕たちが近づかねばいいんだろうけど、ご主人のことが大好きな僕たちにゃんだもん。
すぐに取り合いになっても譲り合いには決してならないし。
やっぱりこれじゃあ猫アレルギーは改善しっこないよね。
ごめんね、ご主人。
猫は我が儘なものだと思って勘弁してね。
黒猫日記195
にゃ。朔太郎にゃ。
僕とひめにゃあは、少しづつ元に戻りそうにゃ。
まだ、ラブラブだった頃には遠く及ばないけど、毛繕いをしてくれるぐらいまでには戻ってきたのにゃ。
今日は、二匹とも大好きな紙袋で遊んだのにゃ。
姫にゃあは、紙袋にすっぽり入って、「お持ち帰りください」って感じに首を出すの。
それが可愛い、ってご主人には好評にゃ。
二匹して一つの紙袋に出たり入ったり、取っ手にじゃれてみたり、結構楽しく遊べるのにゃ。
よーいどん、で飛び込んで、紙袋の中でUターンして出てくるの、とか紙袋の取っ手に頭だけ通しちゃったり。
見ていても楽しい、ってご主人は言うにゃ。
紙袋があると、一日中遊べる僕たちにゃけど、箱も好きにゃんだ。
段ボール箱が大好き。
箱入り猫はまた可愛い、とご主人もお気に入り。
なんだか、ぴったりと入り込めるものが好きみたいな僕たちにゃ。
もう子猫じゃあないのにね。にゃんにゃん。
黒猫日記194
にゃおん。朔太郎にゃ。
どうやら姫にゃあとの関係に変化が出来たみたいにゃ。
姫にゃあは相変わらず傍に寄るとふうっていうにゃ。
にゃから僕は、姫にゃあを遠巻きにするようになったにゃ。
用事のない限りは傍に寄らないの。
どうしてもご飯を貰う時は一緒になるから、僕は姫にゃあが食べ終えるまで、一歩離れて待っているにゃ。
前まで二匹一緒に頭を並べて食べていたのにね。
寂しい限りにゃ。
ご主人は僕が家出したから悪い、って言うにゃ。
それは確かにその通りにゃんだけど、それを言ったらお終いにゃ。
僕はこのまま姫にゃあに嫌われたまんまでいなくちゃならないのかにゃあ。
どうにかならないかにゃあ。
こうなったら、時が解決してくれるのを待つしかないのかにゃあ。
時が来ればまた仲良しになれるのかにゃあ。
確実にそれが判っているなら、待つのも悪くはないか、とも思うけど、姫にゃあの素っ気なさが悲しい僕なのです。にゃんにゃん。
黒猫日記193
ふにゃ。朔太郎にゃ。
みゃあ。どーしよう。
姫にゃあに嫌われたのにゃあ。
大好きな姫にゃあなのに、傍によるとふうって怒るのにゃ。
え?何があったのか、って?
んにゃあ。それがね。僕、明け方、いつものようにトイレの窓からお外を覗いていたんにゃけど、また足を滑らせてお外に落下。
意にそまない家出と相成りまして、そのまま誰にも気付いてもらえずに数時間。
心細さに震えながら過ごしたにゃ。
どうせ押入あたりで寝ているんだろう、って思われていたみたい。
ところが、用事で玄関から出ようとしたご主人に僕は気付いて、必死に呼びかけたの。
お隣さんの庭から猫の声がする、って猫好きのご主人が覗いて見ると、そこには僕がいた、って訳。怯えきって小さくなって。
慌てて僕を保護してくれたご主人。
でも、震える僕には首輪が無く、本当に朔太郎なんだか自信が持てなかったんにゃって。
にゃから、一度、首根っこを掴み上げて、腋の下とおパンツの白い毛を確認。
それが終わってやっと僕は、無事にお家の中へ戻ることが出来たのにゃ。
それにやのに、お外で違う臭いを付けたせいか、姫にゃあが警戒心丸出しで、ちょっとでも近寄ろうとすると凄い勢いで怒るにゃ。
僕はすごすごと退散するしかないんにゃ。
んにゃあ。このままじゃあ寂しすぎるよお。
どうしたら姫にゃあに認めてもらえるんにゃろう。
原因は完全に僕にあるのは確かだけど、そこまで嫌わなくとも良いじゃにゃいの…。
ぐすん。侘びしい限りの僕にゃのでした。
黒猫日記192
みゃお。朔太郎にゃ。
毎日お父さんから晩酌のおこぼれを貰っている僕たちにゃんだけど、この頃好き嫌いをするようになってきたんにゃ。
好きな物は一番がかにかま。
次に猫用のかにかま。
その次に煮浸しのモヤシ。
そしてかつおぶし、って続くにゃよ。
それから生のお魚、かなあ。
わりと焼き魚は食べないんにゃ。
背中の部分を少しだけ、かにゃ。
普通、お腹の部分とか内蔵の方が栄養があるから、猫としてはそちらを好むのが当たり前らしいんにゃけど。
まあ、近頃の猫はそうとも限らないにゃろうね。
猫は猫まんまを食べていた時代はもうかなり昔にゃものね。
猫まんまは鰹節のかかったご飯にお味噌汁をかけた物のはずだったよね。
おかかご飯のおにぎりはお母さんの好物だけど、僕たちは苦手なんにゃ。
不思議だよね。
猫は猫まんまが苦手だにゃんて。
笑える?
まあ、近頃の猫族は贅沢になっちゃった、てことなんにやろうね。
僕たちが好き嫌いをしても仕様がないよね。
お父さんもご主人も僕らには甘いんにゃ。
だから余計に好き嫌いをするようになっちゃうんにゃよね。
にゃんにゃん。
黒猫日記191
みゃお。朔太郎にゃ。
この頃、僕たち二匹はすんごくお腹を空かせているんにゃ。
ご主人は朝起きると朝ご飯のカリカリをくれるんにゃけど、すぐに食べ終えて「お代わり」をねだっちゃうの。
毎日暑いけど僕たち二は「夏ばて」という言葉は当てはまらないみたい。
とはいえ、暑いのはやっぱり苦手にゃ。
誰かがおうちに帰ってきてエアコンのスイッチを入れると、それまで隠れていた場所から出てきて、涼しい風に当たっているし。
風に向かってもろに気持ちいい、って顔をしているのが何とも言えないほど可愛い、とはご主人の意見。
そりゃあ、涼しいところを探すのは猫族の得意技にゃこど、エアコンというものはすごい、と思うにゃ。
そんなことを考えるにゃんて、やっぱり僕も都会の猫にゃんだろうね。
姫ちゃんは結構玄関の土間が好きみたいにゃんだけど、僕はエアコンの方が好みにゃ。
だからご飯も美味しくいただけているのか知らん。
夏太りになりそうな僕にゃのでした。にゃんにゃん。
黒猫日記190
なあ。朔太郎にゃ。
僕があちこちの扉を開けられる、って話はしたよね?
お風呂場への扉はもとより、トイレの扉まで、器用に開けちゃうんにゃ。
にゃからご主人は、ドアの前に物を置いてみたり、つっかいぼうをしてみたり、入ったら危ない所は用心してくれているにゃあよ。
お風呂は風呂桶に水を張っちゃうから危ないし、トイレは以前、高窓から落ちて鼻をすりむいたことがあったから危ない。
それでも時々、ご主人はつっかい棒代わりのゴミ箱をはめ込み忘れて、僕はこっそりとトイレの扉を開けて高窓に上ってお外を覗いていて、トイレに入ってきたお父さんなんか吃驚させちゃう。
そうだろうね。目の前の窓に黒猫の背中があったら、結構驚異かも。
この頃は姫にゃあも真似をして、二匹並んで乗っているから、いつか二匹して落っこちるんじゃあないかって、ご主人はものすごく心配しているんにゃ。
二匹とも家中だけの猫で、お外に出たことがほとんどないから、お外に出た時のパニックが余計に心配にやんだって。
まあ、お外を覗いていて落っこちた前科のある僕としては、痛かったし、怖かったし、パニックになって泣きわめいていたから、小さくなっているほかないとは思うんにゃけど、行動は伴わないんにゃ。
そうにゃの。
窓に乗らなければ何の問題もにゃいの。
にゃけど、「好奇心が猫を殺す」と言われているように、僕はお外を覗くのを止められないのがいけないんにゃよね。
せめて落っこちないように気を付けよう、と思う僕なのでした。にゃんにゃん。
黒猫日記189
にぃ。朔太郎にゃ。
姫にゃあは、ご主人が大好きにゃんだ。
にゃから、何かというとあちこちぺろぺろ舐めるんにやよ。
親愛の情の表現の毛繕いを、ご主人にもやってあげている気持ちなのは良く判るんにゃけど、いかんせん猫の舌はざらざら。
熱心に舐められるとひりひりしちゃうにや。
特に顔を舐めたがるから始末におえないにゃ。
ご主人は痛いやら可愛いやら困っちゃう。
愛情故にゃから怒るわけにもいかにゃいし。
にゃんと言っても見上げてくる瞳がにゃんとも可愛いくて、余計に困っちゃうみたいにゃ。
そんなだからご主人は姫にゃあのことを時々「困ったちゃん」て呼ぶようになっているんにゃ。
来れ、本当の話。にゃんにゃん。
黒猫日記188
にゃ。朔太郎にゃ。
僕と姫猫は本当に仲良しにゃんだ。
この季節、お父さんのお布団を占領して寄り添って寝ていたり、お互い追い駆けっこをしてみたり。
日向ぼっこをしながら毛繕いをしあうのはしょっちゅうだし。
お父さんからおつまみを分けて貰う時も、好きなものが違うから譲り合えるし。
普通は取り合いになるかにかまだって、ちゃんと僕が我慢するんにゃ。
そうなの。僕は姫猫のことがとても大好きで、大事に思っているんにゃよ。
本当に小さい頃から大切で、ご主人がお嫁さんに貰ってくれたんだと思ったんにゃ。
実際、お嫁さんにしてしまったんにゃけどね。
まあ、今となってはお互いに避妊手術を受けて、プラトニックになったんにゃけど、僕の気持ちは変わることがないにゃ。
居心地の良いお父さんの座椅子だって姫猫に譲っちゃうし。
お母さん曰く。「なんだか棲み分けが出来ているね。」
別に意識しているわけじゃあにゃいんだけど、僕の性格もあるんにゃろうね。
でも、ずうっとこのまま仲良しでいられたらいいなあ、とは思うのにゃ。
にゃんだか、のろけちゃったかな。ふにゃあ。