にゃおん。朔太郎にゃ。
えらくご無沙汰していたにゃ。
お母さんがめえちゃんを贔屓にしているせいか、僕の出番が凄く減っているような気がするにゃ。
ねえ、誰か僕の気のせいだと言って。
みんなの愛情が僕から離れていってしまっているなんて、そんなことないって言って。
にゃあ。
あのね、この頃お父さんが恐いの。
すぐに怒るの。
僕がおとなしく抱っこされていないとか、お返事をしないとか、猫にとってかなりな無理難題を仕掛けてくれるの。
僕は恐怖のあまり固まってしまって反応ができないでいると、また怒るの。
お母さんとご主人が「朔はへたれだから怖がっているんだよ。」って庇ってくれるんだけど、お父さんは聞く耳持たずなの。
お父さんはめえたんは可愛いらしくて、ごはんをいっぱいあげたりしてるし。
うちの人はみんな、めえたんが好きなんだ。
どうせどうせ僕なんか…。
やっぱり多頭飼いされていると、愛情に偏りができるんにゃね。
これが哀しい現実にゃんだ。
にゃあ。ひたすら落ち込んでしまう…。
結局、僕がヘタレで意気地なしなのが悪いってこと?
僕の悩みは尽きない…。
やっぱ性格の問題なのかにゃあ。
にゃんにゃん。
姫猫日記25
にゃ。兄姫(えひめ)にゃ。
この頃はめえたんと呼ばれているにゃ。
お母さんは昔からお歌が好きな人で、あたちのことを替え歌にして喜んでいるにゃあよ。
いい年して何やっているんにゃか。付き合ってやるこっちの身にもなれっつーの。
あ、お母さんの作品、ついでに紹介するね。
「ぞうさん」のメロディで。
めえたん めえたん
だあれが好きなあの?
あのね ご主人が好きなのよ
めえたん めえたん
だあれが嫌いなの?
もちろんお母さんが嫌いなの
にゃおん。そうなの。あたち、お母さんがどうしても気に入らないの。
あ、まだ続きがあるんにゃ。
めえたん めえたん
ふわふわ毛皮だね
そうよ ご自慢の毛皮なの
にゃんにゃん。
まったくお母さんときたら、いくつになっても子供みたいなんにゃから。
ほんと、相手をするうちのご主人もあたちも苦労するんにゃ。
え?お母さんだから仕方ないだろうって?
それを言ったら全部お終いになっちゃうじゃにゃい!いじわるにゃね!
姫猫日記24
んにゃ。兄姫(えひめ)にゃ。
お母さんったらあたちの替え歌を作って喜んでいるんにゃょ。
まずは「ぞうさん」のメロディで。
「めえたん、めえたん
白黒ぶち猫ね
そうよ
いもうともぶち子なの」
ご主人も面白がって一緒に歌うから始末に悪い。
もうひとつが「森の子山羊」のメロディで。
「めえ、めえ。
うちのぶち猫、うちのぶち猫。
ぶち猫走れば黒猫追っかける
そしたら運動会
かなりうるさい
だからご主人
めえ!っと怒る」
にゃー!
結構お母さんは喜んでこんな歌を作っているみたいだけど、あたちとしては良い迷惑にゃわ。
他にも色々あるんにゃけど、ちょっと紹介できない物も多いんにゃもの。
お母さんは美味しいおやつをくれる貴重な存在にゃんだけど、時として迷惑なことをしでかしてくれるから、あたちとしては好きになれないんにゃよね。
もう少しあたちに気を使ってほしいにゃ、と思う今日この頃のあたちにゃのでした。
にゃんにゃん。
姫猫日記23
うにゃあ。兄姫(えひめ)にゃ。
あたちこの頃「めえたん」って呼ばれているの。
あたち、正式な名前は兄橘姫(えたちばなひめ)なんにゃよね。
にゃから、弟橘姫(おとたちばなひめ)っていう妹もいたんにゃ。
乳離れするとすぐにもらわれて行っちゃったけどね。
だから最初のうちは割とまともに「えひめ」「おとひめ」って呼ばれていたの。
それが、面倒臭がりのご主人はだんだんとあたちの名前を省略するようになり、いつの間にか「姫たん」。
そして「ひめ!」になり、とうとう「めえ!」にまで縮まっちゃったの。
さすがに「めえ!」じゃ山羊さんか羊さんみたいだっていうんで、やっと落ち着いたのが「めえたん」。
割と可愛い響きなんであたちは気に入っているの。
でもね、小ちゃい白猫のストラップ型のぬいぐるみの名前が「めめちゃん」っていうのがちょっと引っかかっているかにゃ。
にゃってその子は凄い美猫にゃんだもん。
にゃんだかご主人に贔屓されている気がするんにゃもん。
そりゃあ、あたちはご主人に言わせると「ぶちゃいく」らしいけど。
おまけにお母さんに言わせると女王様キャラなんにゃって。
要するにみんなあたちに甘いってことなんにゃよね。
うん。確かに朔にゃあとあたちとでは待遇が違うかも。
にゃあ。なんにせよ、あたちが可愛がられているのには変わりがないからいいかなあ、なんて思う今日この頃にゃのでした。
にゃん、にゃん。
姫猫日記22
みぃ。兄姫(えひめ)にゃ。
ご主人に言わせると、あたちってグルメなんにゃって。
ん~、確かに朝と夜に同じカリカリが出てくると断固拒否しちゃうし、二種類のかりかりを用意してくれないと食べてやらないしにゃあ。
朔にゃあが先にあたちのお気に入りの方のかりかりを食べちゃう時があるんにゃけど、そうなるとあたちはもうかりかりを食べないの。うん、軽く一食抜いちゃうの。
それに、おやつ。
好きなおやつが固定されていて、それら以外はふんしちゃう。
お魚だってそうにゃ。
厳密に言うと、焼き魚はブリだけ、生だと甘エビだけ。
エビさんには頭が付いていちゃだめなの。
頭が付いているとどこから食べて良いか判らなくなるんにゃもん。
朔にゃあは頭からがりがりかじるけど、あたちはお嬢様だもん。そんなお下品な真似はできにゃいわ。
そうにゃよね。お嬢様はグルメでも許されるのよね。
お母さんはあたちのことをうちのお姫様、ならぬ女王様だ、と笑うけど、どっちの方が偉いのかしらん。
まあ、ご主人もお母さんもお父さんもあたちのことをとっても好きで大事にしてくれている、って自覚はあるのよね。
にゃから、あたちはたぶん、このままでいいんにゃよね。
朔にゃあには時々睨まれるけど。
姫猫日記21
なん。兄姫(えひめ)にゃ。
新入りのぬいぐるみに大阪土産のたこやきのキャラクターがいるんにゃ。
この子の手触りがよいとかで、今、ご主人の大のお気に入りにゃの。
ご主人の携帯にくっついて、なんとなく鼻高々に見えるんにゃ。
にゃからあたち、そんな可愛くないやつに猫パンチをくらわせてやったの。
そしたらその場面をご主人に見られちゃって、あたちがお目玉を食らっちゃった。
「どうしてたこさん、虐めるの!」ってご主人は怒るけど、にゃってあいつはご主人にずっとくっついていられて、ご主人の愛情を独り占めしているようで気に入らないんにゃもん。
ご主人にはこんなあたちの乙女心が判らないのかしら…。
あたちはご主人の関心が他に向けられることがいやにゃの。
いつもあたちだけのご主人でいて欲しいの。
にゃから、時には朔にゃあもきらい。
お母さんはご主人を連れて、お外に行っちゃうから、もっと嫌い!
にゃんでご主人はあたちだけのご主人でいてくれにゃいのかしら…。
あたちの気持ちを判ってくれないのかしら…。
にゃあ。にゃんだかすごく落ち込んじゃった…。
あたち、しばらく立ち直れないかもしれない…。
ふにゃあ。ご主人、あたちを助けて!
黒猫日記220
にゃおん。朔太郎にゃ。
うちのご主人とお母さんは猫好きでぬいぐるみ好きなんにゃ。
お母さんなんて、透析に通う時の小物を入れる巾着もぬいぐるみ型なんにゃよ。
その子が僕に似ているっていうんで、名前はさくにゃあにゃあ。
僕には姫にゃあというお嫁さんがいるとしって、にゃあにゃあもお嫁さんが欲しくなったんにゃって。
お母さんに「お嫁さんをください」ってねだったんにゃよ。
お母さんは僕と比べていつも一人のにゃあにゃあに同情して、ご主人と一緒にお嫁さん探しをしたんにゃ。
そしてこの間、すごく可愛い白猫の小さなぬいぐるみを発見。
話し合いの後、お見合いをして、二人はめでたく結婚しましたにゃ。
お嫁さんの名前はめめちゃん。
勿論僕の姫にゃあにちなんでいるにゃ。
にゃあにゃあの赤い紐とめめちゃんのストラップが強く結ばれ、二人はラブラブ、幸せそうにゃ。
それを眺めるご主人とお母さんもうれしそうにゃ。
そうやって、ぬいぐるみ一人一人に人格を与え、会話をして、お付き合いをする人たちって、僕の目にも奇妙に見えるけど、まあ、ご主人が幸せなら良いかな、と思う僕なのでした。にゃんにゃん。
黒猫日記219
ふみぃ。朔太郎にゃ。
お家の人たちは全員アニおただって話はしたよね?
でもそれぞれ好みに差があって、三人が三人とも揃って気に入るアニメって少ないんにゃよね。
今は大概三ヶ月クールで放送されているにゃ。
その改変時に一本あればいいくらいにゃんだ。
今回その三人がそろって気に入ったのが「俺物語」ってアニメにゃんだ。
主人公の「ごうだたけお」にまずお母さんが惚れ込んで、次にご主人が引き込まれ、最後にそのコミカルさにお父さんが引き込まれた、って訳。
「質実剛健、気は優しくて力持ち。一途だし、理想的だよね。」とはお母さんの言葉。
「顔はともかく、あの性格はいいよね。理想的な旦那になりそう。」とはご主人。
「あれだけのがたいがあれば、うちの跡取りにもなれる。」とはお父さん。
家族三人してあのキャラが気に入ったみたい。
今は彼氏の影もないご主人。
いつか結婚するならあんなのがいいらしいにゃ。
まあ、結婚ってみんなに祝福されてするのが一番だっていうからね。
両親に気に入られたお婿さんなら最高だよね。
さて問題は、あんな男が実在して、しかも巡り会えるか、だよね。
にゃんだかかなり無理があるような気がするのは僕だけにゃろうか…。
にゃんにゃん。
黒猫日記218
なあ。朔太郎にゃ。
夏にゃね。
お家は誰かがいる時はエアコンとやらが作動していて快適にゃんだけど、誰もいないとかなり暑い状態になるにゃあよ。
だからこの頃、僕と姫は玄関の土間にいるのにゃ。
土間はコンクリート敷きだから、少しはひんやりしているにゃあよ。
大概、帰ってくるのはご主人で、僕たちはお出迎え猫のお仕事を完遂できるのにゃ。
そうするとご主人はとても喜んでくれるのにゃ。
僕たちもお出迎えした甲斐があるというものにゃ。
それにしても今年の暑さは異常な感じがしにゃい?
去年は台所の板間で十分に暑さしのぎが出来たにゃあよ。
それなのに今年ときたら!
ご主人が帰ってくると僕たちは、揃ってエアコンの風がくる場所に並んで涼む日々が続いている有様にゃんだ。
冷房の風は冷たすぎて、姫にゃんか苦手にしていたはずにゃのに、今年はその風も生温いような気がするし。
にゃあ。世の中いったいどうなるのかにゃあ。
考えてみるとまだ七月にゃんだよね。
これからが夏本番な訳にゃよね。
はたして僕は今年の夏を無事に過ごすことが出来るのにゃろうか。
エアコンなしで過ごす時間が少しでも少なくて済むように祈るだけにゃのかにゃあ。にゃんにゃん。
姫猫日記20
みゃあ。兄姫(えひめ)にゃ。
暑い日が続いているにゃあね。
この間、ご主人があたちと朔にゃあにお土産を持って帰ってきてくれたの。
にゃんだと思う?
あのね、ねこじゃらしなの。
あ、玩具の猫じゃらしじゃなくて、天然の、草むらに生えている、牛さんや馬さんのごはんになるやつ。
アルファルファとかいうらしいんにゃけど、良く知らない。
うん、それをあたちと朔にゃあの分、二本ずつ、合計四本持って帰ってきてくれたんにゃよ。
玄関でお出迎えしていたら、ご主人は喜んでくれて、早速猫じゃらしを一本、ふりふりしてくれたの。
勿論あたちはたちまち目の色が変わって猫パンチを繰り出そうと身構えたの。
なのに、その一瞬の隙をついて朔にゃあが!
朔にゃあがパクリ。
一口で食べちゃった!
後に残されたのは軸の茎だけが残された悲しい猫じゃらし。
そのあまりの素早さにご主人とあたちは暫し固まったのでした…。
そうなの。朔にゃあは天然の猫じゃらしで遊ぶより食べる方が好きな猫なの。
あたちもご主人も頭の隅にその知識はあったんにゃけど、朔にゃあがそれほど早く行動するとは思わなかったの。
ご主人も猫と遊ぼうと思って摘んできたものだから呆気にとられてしまったにゃ。
でもまだご主人の手には三本の猫じゃらしが。
きらりと光る朔にゃあの目。
ご主人は慌てて猫じゃらしを隠し、玄関からお家の中に避難。
そこであたちはやっと朔にゃあを避けてご主人に猫じゃらしで遊んでもらえたの。
でも朔にゃあはそんなあたちの隙をついて二本目の猫じゃらしもゲット。
さっさと食べちゃった。
あたちとご主人は楽しく遊ぶのを朔にゃあに邪魔され、あまつさえ玩具を食べられてしまう、ということをその後二回も重ねられ…。
結局、四本全部の猫じゃらしは、朔にゃあのお腹に収まり、あたちとご主人は欲求不満に陥り…。
満足したのは朔にゃあだけ。
あたちはもう少し猫じゃらしで遊びたかったにゃあ。ま、夏になって、天然の猫じゃらしが手に入りやすくなったし、また、ご主人がお土産に持って帰ってきてくれるよね。
うん。楽しみにしておこうっと。にゃんにゃん。