みゃあ。兄姫(えひめ)にゃ。
暑い日が続いているにゃあね。
この間、ご主人があたちと朔にゃあにお土産を持って帰ってきてくれたの。
にゃんだと思う?
あのね、ねこじゃらしなの。
あ、玩具の猫じゃらしじゃなくて、天然の、草むらに生えている、牛さんや馬さんのごはんになるやつ。
アルファルファとかいうらしいんにゃけど、良く知らない。
うん、それをあたちと朔にゃあの分、二本ずつ、合計四本持って帰ってきてくれたんにゃよ。
玄関でお出迎えしていたら、ご主人は喜んでくれて、早速猫じゃらしを一本、ふりふりしてくれたの。
勿論あたちはたちまち目の色が変わって猫パンチを繰り出そうと身構えたの。
なのに、その一瞬の隙をついて朔にゃあが!
朔にゃあがパクリ。
一口で食べちゃった!
後に残されたのは軸の茎だけが残された悲しい猫じゃらし。
そのあまりの素早さにご主人とあたちは暫し固まったのでした…。
そうなの。朔にゃあは天然の猫じゃらしで遊ぶより食べる方が好きな猫なの。
あたちもご主人も頭の隅にその知識はあったんにゃけど、朔にゃあがそれほど早く行動するとは思わなかったの。
ご主人も猫と遊ぼうと思って摘んできたものだから呆気にとられてしまったにゃ。
でもまだご主人の手には三本の猫じゃらしが。
きらりと光る朔にゃあの目。
ご主人は慌てて猫じゃらしを隠し、玄関からお家の中に避難。
そこであたちはやっと朔にゃあを避けてご主人に猫じゃらしで遊んでもらえたの。
でも朔にゃあはそんなあたちの隙をついて二本目の猫じゃらしもゲット。
さっさと食べちゃった。
あたちとご主人は楽しく遊ぶのを朔にゃあに邪魔され、あまつさえ玩具を食べられてしまう、ということをその後二回も重ねられ…。
結局、四本全部の猫じゃらしは、朔にゃあのお腹に収まり、あたちとご主人は欲求不満に陥り…。
満足したのは朔にゃあだけ。
あたちはもう少し猫じゃらしで遊びたかったにゃあ。ま、夏になって、天然の猫じゃらしが手に入りやすくなったし、また、ご主人がお土産に持って帰ってきてくれるよね。
うん。楽しみにしておこうっと。にゃんにゃん。