にゃー!朔太郎にゃ。
僕がご主人様に「内弁慶の朔太郎」って呼ばれているのは知っているにゃよね?
本猫はそんなつもりは毛頭ないんにゃけど、相変わらず玄関の段々を一段しか降りられない僕には、否定する資格もないんにゃろうにゃあ。
そしたらまた余計にご主人に笑われるような事件が起きてしまったのにゃ…。
僕がおうちに貰われてくるきっかけになったのは、お向かいさんなんにゃ。それは最初の頃話したよね。そのお向かいさんに、新しい家族が増えたんにゃ。
もこもこでちっちゃくてすごくなつっこいわんこ。
ご主人もお母さんも一目見るなり「かわいー!」
ふん。僕だっておうちに来たばかりの頃は、小さくて軽くて、ご主人だって「可愛い。」って言ってくれていたんにゃよ。それが今は、「重たい!くまさんになりかけている!」にゃって。
僕は好きで大きくなった訳じゃあにゃい。まあ、美味しいご飯は大好きにゃんだけど。
でも、大きくなるのは仕方にゃいじゃない?
んにゃもんで、お向かいのもこちゃんをご主人があんまり可愛がるものだから、僕はつい玄関で抗議の声を上げたんにゃ。
そしたらご主人はその声に気付いてくれたんにゃけど、何を思ったのか僕を抱き上げてお向かいさんの前へ。
お向かいさんの腕にはもこちゃん。僕はご主人に拿捕されたまま、お見合い状態。
にゃー!にゃー!にゃー!
すっかり固まって身動き一つ出来なくなっている僕。対するに尻尾を振りまくって僕に興味津々のもこちゃん。
僕の目が、よりまん丸くなって、尻尾の毛が逆立ったのは覚えているにゃ。
固まったまま約十秒経過。完全なるにらめっこの後、僕は開きっぱなしになっていた玄関に一目散に駆け込んだにゃ。
「さくにゃあ!」
びっくりしたご主人の声が追いかけてきたけど、それどころじゃなかったにゃ。
ふにゃあ。あれのどこが可愛いんにゃ?
安全なおうちのおこたの隅っこに陣取って僕は思ったにゃ。
「ご主人達はほんとに趣味が悪い…。」
(ははは!いやあ、さくにゃあの逃げっぷりには笑えたよ。臆病にも程があるよ。by飼い主)