黒猫日記187

ふにぃ。朔太郎にゃ。
僕と姫にゃあは運良く仲良しにゃんだけど、およそではそんな猫は結構珍しい存在みたいにゃ。
ご主人は「さくにゃあが気の弱い性格だから。」って言うんにゃ。
猫らしい猫、って表現の似合う姫にゃあはかなり気の強い我が儘さん。
にゃから丁度良いんにゃないか、って。
まあ、最初に会った時から、僕は興味は持ったけど喧嘩腰にはならなかったんにゃよ。
普通の猫は大概、対抗意識を持つらしいんにゃ。
縄張り意識もあるんにゃろうね。
にゃから僕は特別製らしいにゃ。
まあ、僕は姫にゃあに一目惚れしたんにやから仕様がない。
最初からお嫁さんに貰ったつもりだったんにゃ。
今は二人とも避妊しちゃったから、老後の夫婦みたいにプラトニックにゃけど、これからもずっと寄り添って仲良くしていけたらいいにゃあ。
くっついてお昼寝をしながら考えた僕にゃのでした。にゃんにゃん。

黒猫日記186

みゃあ。朔太郎にゃ。
お父さんが晩酌の準備にはいると、僕と姫にゃあもスタンバイするにゃ。
晩酌のおつまみのおこぼれにあずかるためにゃあよ。
お父さんのおつまみは猫好みのものが多いにゃ。
お魚とか。
そりゃあ勿論、お刺身が一番にゃけれど、蒲鉾も捨てがたい。
猫用の蒲鉾って、ペットフードで売っているのもあって、それはそれで美味しいんにゃけど、やっぱり一番の好物はかにかまかにゃあ。
あればかりはサラダの上に乗っているのを、ほとんど全部もらっちゃうくらい大好き。
にゃからご主人も晩ご飯の献立を考える時にはそんな僕たちの好みを考慮してくれるにゃ。
ねえ、どうしてかにかまはあんなに美味しいんにゃろうねえ?
食べ始めると止まらないんにゃよ。
お父さんに呆れられるほど一生懸命に食べちゃう。
お腹いっぱいでもまだ入る、って「かにかまは別腹」なのかにゃあ。
でもご主人もお父さんもかりかりを食べ終わってからでなくちゃくれないんにゃ。
にゃあ。一度、かにかまだけでお腹をいっぱいにしてみたい僕なのでした。にゃんにゃん。

黒猫日記185

みゃ。朔太郎にゃ。
このところ、子猫用の猫缶のCMを見る度に、ご主人様はため息を吐くんにゃ。
「ちょっと前まではああだったのに」だって。
特に姫にゃあはほ乳瓶でミルクをあげて育てたんにゃあものね。
それがもう一年前。
感慨無量なんにゃろうね。
姫にゃあは未だに自分が子猫だという意識が残っているらしくて、ご主人の肩に乗りたがるし、お父さんとお母さんの毛布をちゅぱちゅぱしているんにゃ。
もう四キロを超えて堂々たる丸太ん棒体型になっちゃっている癖に、ってご主人は苦笑い。
抱っこが大好きにゃからしょっちゅう抱っこをねだっているにゃし。
僕もその点では批判できないんにゃけどね。
ついつい焼き餅を焼いて一緒に抱っこして貰うんにゃ。
そうするとご主人は、合計十キロを持ち上げていることになるにゃ。
結果、腕と腰に来る、そうにゃ。
そうにゃね。お米の大きい袋と同じくらいの重さにゃものね。
まあ、僕らがご主人の取り合いっこをやめたら、ご主人の苦労も減るんにゃろうけど、判っていても譲れないものは譲れないんにゃよ。
これこそ猫の意地、にゃのかにゃあ。にゃん、にゃん。

黒猫日記184

にゃあ。朔太郎にゃ。
おうちには妖精さんか小さいおじさんがいるみたいで、よく色んなものがなくなるんにゃよ。
近頃では、お母さんの鍵やご主人の携帯用のバッテリーなんか消えているんにゃよ。
この間はお風呂場の洗顔料のポンプが消えて驚いたにゃ。
あ、でもポンプはご主人の部屋から見つかって余計に驚いたにゃ。
うちにはお化けもいるけど、妖精さんもいるんにゃなあ。なんて、しみじみ考えていたら、ある時姫猫が空のポンプをくわえて、えらく得意そうにしてご主人の部屋に持ってきたのを目撃してしまったにゃ。
にゃ!結構衝撃的なシーンにゃったよ。
と、言う訳で、それは妖精さんのお仕事ではなかったことが判ったんにゃ。
こーなると、他のことはどうにゃんだろう。
でも、他にも姫猫が来る前から無くなっているものも数多いし…。
んにゃあ。猫にも色々いるんにゃ、ってことで…。
でも、色んな意味で変わったおうちですにゃ。
にゃんにゃん。

黒猫日記183

にゃ。朔太郎にゃ。
姫にゃあの体重がとうとう四キロを超えたのにゃ。
大きくなったのを通り越して、太った、としか言いようがにゃいのにゃ。
ご主人は「丸太ん棒」って言っているにゃ。
お母さんは「昔の土管を連想する。」んにゃって。
手足は短いし、顔はデカいし、そのうち転がった方が早くなりそう…。
でも、動きはまだまだ素早いにゃ。敏捷に高い所に飛び乗れるし、逃げ足は早いにゃ。
テレビの上は乗っかっちゃあいけないところの代表にゃんだけど、姫にゃあはいつも飛び乗ってご主人にこっぴどく怒られるのにゃ。それでも懲りないからお父さんには「おバカ」と呼ばれているにゃ。
「おバカ」で「ぶちゃ」じゃあ救いようがないみたいだけど、姫にゃあは「バカな子ほど可愛い」んにゃって。
なんにゃか不公平な気がするのは僕だけかしらん?
割り切れにゃい…。にゃあ。

黒猫日記182

なあご。朔太郎にゃ。
僕達に欠かせないものに猫じゃらしがあるにゃ。
一番のお気に入りは白い尻尾ぽ。
追いかけて捕まえてがじがじ。それからなめなめ。
姫にゃあと取り合いもするにゃあよ。
あと大好きなのにはリボンがあるにゃ。
長く延ばしたのを振り振りされるとたまらないにゃ。思わず飛びついちゃう。
ちぎれるほどにじゃれついて、この間、切れ端を飲み込んじゃって吐いてしまったくらいにゃんだ。
まだ出たから良いんにゃけど、ビニール制のものにゃんか飲み込んじゃうとエラいことになるにゃ。
そんな僕にゃから、ご主人はじゃらかすのにも気を使って大変にゃんだって。
そう言われても僕はお遊びに夢中になっちゃうとどうしようもないし。
ごめんね、ご主人。手間ばかりかけて。

黒猫日記181

みゃ。朔太郎にゃ。
暖かくなってきたにゃあね。
うちのご主人は猫好きの癖に猫アレルギーにゃんだって、前に話したよね。
それに加えて春は花粉症でもあるにゃあよ。
それにまた加えて、桜の花粉にも弱いらしいにゃ。
にゃから、この季節は体調が最悪みたいにゃ。
僕達がお布団に潜り込むから、お布団にまめに掃除機をかけなくちゃならないし、お薬は欠かせなくなったにゃ。
お医者さんが嫌いにゃご主人は、それでも悪足掻きしてお医者さんからお薬を貰うことを拒否していたんにゃけど、この間、見事に喘息の発作を起こして挫折。
まあ、無理はしない方が良いとは思うんにゃけど、原因が僕ら、という時点で僕には何も言う資格はないんにゃろうにゃあ。
何にしろ、僕達にはご主人が必要にゃし、ご主人には僕らが必要なんにゃ。それは変わらない事実にゃ。
にゃんとなく、後ろめたい思いに襲われるけど、どうしようもにゃいことだよね。

黒猫日記180

にゃ。朔太郎にゃ。
うちの姫にゃあが6の字尻尾だってお話はしたよね?
だからこの間、不妊手術と一緒に尻尾も手術してもらったんにゃ。
曲がっているところから先を切ってもらったのにゃ。
曲がっているところに何かが引っかかって、痛い思いをするようなことがないとも限らない、ってお母さんもお父さんもご主人もとても心配したんにゃ。
それ程に見事に曲がっていたんにゃよ。
にゃから、姫にゃあの尻尾は今は拳一個分の長さになっているにゃ。
しばらくの間、その尻尾は、毛を剃られて先っぽを縫われた状態で、黒いウィンナーソーセージを連想させたにゃ。
今は毛がふさふさとして、可愛い尻尾になっているにゃ。
おうちの猫は代々尻尾の長い猫ばかりだったから、「ちょっと変わり種で可愛いかも。」っていうのがみんなの意見。
「もう、何かに引っかかる心配もないしね。」と安心もしているみんなにゃんだ。
余計な手術で痛い思いをした姫にゃあにはちょっと気の毒だったけど、引っかかった時のことを考えると、しようがないよね。
まあ、人間達の我が儘だと言えなくもないんにゃけど、それを言っちゃあお終いにゃからねえ。にゃあ。

黒猫日記179

みゃお。朔太郎にゃ。
僕達はおやつやご褒美に猫用の蒲鉾を貰うことが多いにゃ。
大好物にゃから、いっぱい欲しいのに、ご主人たら「きりがない。」とか言って少しづつしかくれないんにゃ。
「ご飯じゃないんだから。」とも言っているにゃ。
そりゃあそうだけど、あれ、美味しいんにゃよ。
にゃから、お腹いっぱい食べたいんにゃ。
この気持ち、判ってくれるにゃよね。
だから、時々ご主人がケチに見えるにゃ。
あ、蒲鉾と言えば、かにかま。
僕達はそれも大好物。
いつも貰う時は姫猫と取り合いになるにゃあよ。
お父さんは喧嘩にならないようにと、丁度半分に分けてくれるんにゃけど、二人ともいち早く自分の分を食べちゃって相手の分を狙うほどに大好物にゃんだ。
いくらでも食べられちゃう。
にゃから今の僕の夢は、かにかまを独り占めしてお腹いっぱいに食べることなのにゃ。
いつか叶うと良いにゃあ。

黒猫日記178

んなあ。朔太郎にゃ。
ちび姫はだんだん大きくなって、もう三キロもあるにゃあよ。
さすがに僕の五キロには及ぶべくもないけれど、重くもなったし、丸くもなったにゃ。
いや、それを言うにゃら、四角くなった気がするにゃ。
ティッシュボックスに頭と手足が付いているように見えるにゃ。
お顔も少し角張ってきたし。
にゃんでだろうね?
そう見えているのはご主人やお父さんも同じらしく、事ある毎に「ぶちゃは四角くなった。」って感想を述べているにゃ。
あ、「ぶちゃ」というのは「不細工」の略で、悪戯したりすると名前の代わりに呼ばれる姫にゃあの悪口の一種にゃ。
ちょっと可哀想な気がするけど、それだけ悪戯がひどいとなると、ご主人の方が迷惑にゃよにゃあ。
ちなみに僕は、叱られるときは「黒!」と呼ばれます。にゃあ。