みゃあ。兄姫(えひめ)にゃ。
聞いて。あのね、朔にゃあったらトイレの窓から家出して、また知らんぷりしておうちに戻っていたのが、現行犯で捕まったんにゃよ。
お隣の塀から電気のメーターを飛び石代わりにして、ぴょんぴょんと窓に飛び移っていたんにゃ。
帰り道に窓から顔を出したところを、お父さんにふんずかまって、それからが大変。
お父さんには頭を小突かれ、お母さんにはたっぷりと嫌みを言われ、ご主人からは見捨てられた。
にゃんて、一時的に「もう、うちの猫、止めたんでしょ。」と冷たい扱いを受けただけにゃんだけどね。
ご主人、決して猫を見捨てたりしにゃいもん。
でも、やっぱりこっそりと家出していた朔にゃあが悪いよね。
恐がりで、玄関からは下の段々までしか降りられなくて、すぐおうちに後ずさりしていた姿からは、覗き見はしても家出しているとは想像もしていなかったってご主人も苦笑していたよ。
おかげで、急遽トイレの窓につっかい棒がはまり、ちょっとしか開かないようにされちゃった。
あれじゃあもうお外も満足に覗けにゃい…。
そりゃあ、本猫の朔にゃあはいいよ。自業自得にゃもん。
でも、あたちも迷惑を被るのは遠慮したいにゃ。
にゃから今だに朔にゃあがご主人に「不良。放蕩息子。」と呼ばれてつんつんされても仕様がないと思うの。
おうちのルールを守れなくて、みんなを心配させた朔にゃあが悪い。
あたちが庇ってやるまでもないと思った所で当たり前だと誰でも同意してくれるんにゃないかにゃあ。
にゃんにゃん。
