にゃ。兄姫(えひめ)にゃ。
あたち今、ねずを穫れなくなっているの。
あたち、毎日ご主人のためにねず見張りをしているの。
それで、猫玩具ぐらいのねずをハンティングして、ご主人にプレゼントしていたの。
あたちにとって、ねずとはあのサイズの玩具のこと。猫パンチ一発で仕留められる程度のものにゃったの。
でもね、でも、出会っちゃったの、あたち。そう、親分ねずに。
そいつは尻尾を入れると十分にあたちの半分はありそうなでっかいやつで、あたち、そいつを見るなり固まっちゃったの。あまりの迫力と醸し出す凄みに、縮みあがっちゃったの。
信じられなかったの。あんなでっかいねずが存在するにゃんて。
あたち、本当はすごくデリケートにできているにゃ。
ある意味、世の中がひっくり返るようなショックを受けたのにゃ。
あたち、ねずと言うものを舐めていたにゃ。
あの、親分ねずと対面した十数秒が、完全にトラウマになってしまったにゃ。
あたち、このままもうねずを穫れなくなってしまうのか知らん…。
そうなると、ご主人を守ることができない…。
にゃ~!お守り猫でいられにゃい。
そ、それだけはイヤにゃ!
でも、親分ねずは怖いよ~。
にゃ。そうにゃ。会わなけりゃあ良いんにゃ。
あたち、知らんぷりすることにしたにゃ。
チビねずは将来ハンティングするかもしれないけど、親分ねずは見て見ぬ振りをする。
にゃ。これで全部解決にゃ。
めでたし、めでたし。ってほんとに良いのかあ?!
良心が痛いような気がする…。