にゃ!兄姫(えひめ)にゃ。
聞いて、聞いて!
あたち、やったよ!
ついにやったよ!
ご主人を怖がらせて困らせていたネズミをやっつけてやったの!
台所で洗い物をしているご主人の側で、じっと待機しながら様子を窺っていたんにゃ。
いつもごそごそと出没する地点に目星をつけて。
いつかはきっと捕まえてやる、という決意を込めて。
あたち、じいっと機会を待っていたんにゃ。
そしたら、あたちがそんな風に待ちかまえているとはつゆ知らず、あいつはのそのそ現れたにゃ。
あたちは一気に飛びついて一撃必殺。
あいつはきゅうと一声鳴いて、それっきり手向かいできずにあたちの牙にかかったにゃ。
思ったより簡単に捕らえた獲物を持ってご主人に見せに行くと、ご主人たら複雑に強ばった表情で「よし、よし。」だって。
まあ、ネズミが苦手にゃって言ってるからしようがないかにゃ。
でも、そうやってネズミを弄んでいるあたちに、朔猫がちょっかいをだして横取りしようとするのには、ご主人が怒ってくれたんにゃよ。
自分が汗もかかないで苦労もしないで美味しいところを持っていこうとするにゃんて最悪にゃよね。
単にネズミで遊びたかっただけだとしてもあたちが怒るのも大目に見てもらえるよね。
ネズミはゴミ袋に入れられて、ゴミと一緒に回収されていったけど、あたちはもうちょっとネズミで遊びたかったかも。
まあ、また取ればいいか。
ハンティングはエキサイティングで楽しいから、飽きないと思うし、ご主人も喜んでくれるし、ね。
ともかく、有意義な夜でしたにゃ。