ふにぃ。朔太郎にゃ。
夜更かしで早起きのご主人は、夕方、お昼寝をするのが日課になっているのにゃ。
少しの時間だけど、そうしないと体が保たないんにゃって。
お父さんのお布団を借りてちょっと一休み。
気持ちがすっきりするんにゃって。
僕も一緒にお昼寝したくて、お布団まで行くんにゃ。
そして大好きな腕枕をしてもらうんにゃ。
幸せ…。
でもね、でも、長居ができにゃいの。
一緒にお昼寝ができにゃいの。
何故かって?
あのね、ご主人の左肩には今は亡き白猫れおん君がお守り猫としてしっかりくっついているんにゃ。
そのれおん君が僕に焼き餅を焼くんにゃ。
そしてその見えない前足で猫パンチをくれるんにゃ。
実体のない相手にはどう足掻いてもかなわないのが判っているから、僕はすごすごと退散するしかなくて…。
悲しいにゃあ。
僕もこのおうちに来てから三年。
その間、ずうっとご主人の隣で寝ようと頑張ったのにゃ。
だけど、ことごとくれおん君に阻止されたのにゃ。
デモね、聞いて!姫猫は除外されているの!
れおん君に追い出されることがないの!
酷いよね。にゃんで僕だけ…。
僕だけ目の敵にされているにゃ。
ふにゃあ。相手には最早実体がないからどうしようもないし、これ以上姫猫に敵対心を保つのも男としてどうか、と思うし。
ひたすら落ち込むしかない僕なのでした。にゃあ…。