んにゃおん。兄姫(えひめ)にゃ。
姫にゃあ、と呼んでね。
でも本名は兄橘姫(えたたちばなひめ)つていうにゃ。
そう、あたちは男二人、女二人の四人兄弟で拾われたの。
それだから妹は弟橘姫(おとたちばなひめ)って名前でおとひめってよばれていたんにゃよ。
両方とも大和武尊(やまとたけるのみこと)の奥さんだったお姫様の名前から取ったんにゃって。
お母さんの趣味にゃ。
あたちとしては普段は姫にゃあ、で済んでいるから別にかまったことじゃあにゃいし。
でも、結構ご大層な名前を付けられて貰われていった子達はどうしたんにゃろうにゃあ。
結構迷惑しているかも。
お母さんのネーミングセンスは特別製みたい。
一番最初に飼った猫には「にゃごのすけ」って付けて「にゃん」って呼んでいたらしいよ。
その後、「にゃごのすけ」は五代目までいたらしいんにゃけども。
それからはしばらく猫さんを飼えなかった時期があって、その後ご主人のお稽古場からやってきたのが「レオ」君。
なんとレオタードからきているんだって。これはさすがにお母さんのネーミングじゃないんだって。
次に来たのは「かずひこ」。
うちにきた時、風邪をひいていて、お父さんが「風邪ひき猫」って呼んでたところからきたんにゃって。
その次が「れおん君」。
これは素直に余りにも「レオ君」ににていたから。
そして「朔太郎」。これは月のない朔の日から来ているんだけど、本当は最初女の子だと思われていて拾った子が「さくら」って名付けていて、ご主人が「さく」って呼ぶようになった時、男だって判って、んじゃあ「さくたろう」だね。って決まったんにゃ。
まあ、漢字はお母さんが丁度良い名前を見つけてあててくれたんにゃよ。
そしてそれから後が大変。
ご主人が拾ってきた姉弟は「此花咲也姫(このはなさくやひめ)」と「月夜麿(つきよのまろ)」。
その後拾った子猫は真っ黒だったから輝夜姫(かぐやひめ)。
お姫様シリーズか知らん。
ね、お母さんのネーミングって変わっているでしょ?
まあ、あたちも朔太郎にゃあももう遠分元気で長持ちするつもりにゃ。
だからお母さんが名前に頭を痛めることもあまりないにゃろうにゃ。
にゃあ。にゃ