黒猫日記125

みゃ。朔太郎にゃ。
寒くなって、おこたに潜りっぱなしになっている僕を心配して、今日はお母さんが久し振りに猫じゃらしを持ち出したにゃ。
このところ、ご主人が毎日のようにお留守なもので、僕は運動不足と同時にストレスも思いっきり溜まっているんにゃ。
にゃから久々に見た白尻尾の猫じゃらしは特別に魅力的。
にゃー!まずは直っしぐらに突進して猫パンチ。
押さえつけてはぐっ!
それから思わずなめなめして、再び両手で猫キャッチ。
放り投げてから飛び退いて、臨戦態勢を取りながら相手の隙を窺う。
お尻を振り振りして、獲物に飛びつく。
両手で押さえ込むが逃げられる。
ダッシュで追い縋る。
にゃっ!必殺猫ストレート。
やった!ノックアウト!
と思ったら、お母さんが猫じゃらしを落っことしただけにゃった。
お母さんは慌てて猫じゃらしを構えなおして、いざ、第二ラウンドに突入。
お母さんもだてに猫を飼っていない。猫じゃらしの変化技を繰り出してくるにゃ。
おこたの掛け布団のかげから先っぽだけをぴくぴくさせたり、新体操のリボンみたいにくるくる螺旋を描いてみたり。
つられて僕もその場で回転。ふにゃあ。目が回っちゃうにゃ。
でも、これはお母さんとご主人の大好きな技にゃんだよ。
猫ドーナツスピンって呼んでいるくらい。
今回の僕は、体重の増加分だけ体力が持たにゃい…。
あっさりと五回転でギブアップ。
でっかいため息をついてへたり込んだ僕に、お母さんが一言。
「さくにゃあ。ご主人様と一緒にダイエットが必要だね。」
それを聞いていたご主人曰く。
「さくにゃあにかこつけて私まで持ち出さないでよ。」
お母さんは負けていにゃい。僕のお腹を摘みながら、「だってこの皮下脂肪、あなただって負けてないでしょ。」にゃって。
う…。反論できないご主人の、僕に向ける視線が痛い…。
にゃあ。結局、僕の運動不足はご主人のダイエットにすり替わって、ご主人に迷惑をかけちゃったんにゃね。
そんなつもりはなかったんにゃよ。
でも、僕もご主人はもうちょっと痩せた方がもっと可愛いと思うにゃよ。