みゃあお。朔太郎にゃ。
やっとご主人はおこたをつくってくれたのにゃ。
やっぱりおこたは猫の天国だと思うのにゃ。
おこたの中に入ってぬくぬくしながらうとうと。
一度やったら止められない、と心から思うにゃ。
そんな僕と同意見なのがお父さんにゃんだ。
「冬場はおこたから一歩も出ないんだから。」というのがそんなお父さんへのご主人とお母さんの意見。
十二月に入るとお仕事もめっきり減って、ほとんどおうちにいるお父さんは「こたつむり」に変身するんにゃって。
これは「こたつ」と「かたつむり」からお母さんが作った言葉にゃんだけど、まるっきりこたつを殻の代わりに背負ったカタツムリみたいに、すべてのことをこたつの中で、こたつを背負ったままでやりたがるから、にゃんだそうな。
おうちの炬燵は結構大きくて、ひょろんと背の高いお父さんでもすっぽり入っていられるんにゃ。
にゃから、寒い夜にゃんか、冷たいお布団に移るのがいやだ、とか言って、そのまま炬燵で寝てしまうんにゃ。
そしてそれは、お父さんの体を心配するお母さんにはとてもして欲しくないことにゃんだ。
僕としては、寒い明け方までぬくぬく出来るから、それは嬉しいことにゃんだけど、お父さんが体を壊してお仕事が出来なくなっては、僕のご飯にも関わってくるにゃ。
お父さんがお仕事をして支払って貰えるお金、と言うものがないと、僕のご飯ばかりか、ご主人のご飯も買えないんにゃって。
それでは、食いしん坊のご主人が可哀想にゃ。
にゃから僕は、お父さんが炬燵で寝ないように見張ろうと思うんにゃ。
え?寝坊助の猫である僕に、そんなことが出来る訳ない、って?んにゃあ。でもご主人のためなら、僕だってかなり頑張れると思うんにゃけと、にゃあ。