黒猫日記115

にゃあご。朔太郎にゃ。
朝晩、寒くなってきたにゃあね。
姫にゃあと月にゃあが何日かいたことを忘れられないお父さんは、「秋生まれの子猫をスカウトしてこよう。」にゃんて言い出しているんにゃよ。
僕がお父さんと一緒に寝たがらないから、にゃんだって。
僕にだって好みとか事情とかいろいろあるのを分かってくれないんにゃよ。
お父さんは煙草臭いし、第一ご主人みたいに柔らかいぱいぱいがないじゃにゃい。
にゃあ。でも僕は悲しいことにまだご主人と一緒に寝たことがないんにゃ。
そりゃあ、一生懸命一緒に寝ようとお布団に潜り込んでみたりはしているんにゃよ。
にゃけど、ご主人にはしっかりとお守り猫が付いているんにゃもん。
そうなんにゃ。先輩猫のれおん君。
彼は一旦天国に行ったんにゃけど、すぐにご主人の守護霊として戻って来たのにゃ。
天国で修行して生まれ変わってくるよりも、ご主人の側にいて見守る方を選んだんだ、ってお母さんは教えてくれたにゃよ。
まあ、そんだけ「ご主人命」の猫にゃんだ、と言われたらそれまでにゃんだけど、僕としては目の上のたんこぶ、そのものにゃ。
実体もない癖に、眼力は物凄いし、迫力はあるし、猫パンチは鋭いし。
にゃー!どうして僕だけこんな苦労をしなくちゃいけないんにゃ?!
僕はただご主人と一緒に寝たいだけなのに…。
うにゃあ。これが運命、というものなら、僕はどうしたらいいんにゃろう…。