にゃっ。朔太郎にゃ。
昨夜、僕はお父さんに拿捕されて、手っての爪を切られちゃったんにゃ。
おうちの猫は、爪を切らなくちゃいけない、っていうのが代々の猫さんに科せられた指令。
「れおん君は良い子にして爪を切らせてくれたんだよ。」ってご主人は言うにゃ。
「れおん君はお母さんに切って貰っていたんだけどね。」
そうにゃの。僕はお父さんの強い腕にしっかりと捕まれての爪切り。
「いやがって逆らって、暴れるから。お母さんには怪我させられないから。」って僕の足を押さえる手助けをしているご主人。
にゃ~。僕だって怖くなかったら暴れたりしないんにゃよ。
でも、猫の爪には神経が通っているから、少し切り過ぎると物凄く痛いにゃ。
それがあるから、まだまだ爪切りに慣れていない僕は、いやがるし逃げたがるにゃ。
それは仕様がないことじゃにゃいのかにゃあ。
僕のそんな内心の呟きが聞こえたものか、ご主人曰く。
「だから、お母さんではなく、二人係でこうやっているんだよ。猫の爪には毒があるからね。この間もさくにゃあがひっかいたから、お母さんに病院から抗生物質のお薬が出たくらいなんだよ。」
にゃあ。それって大袈裟すぎにゃい?って思っていたら、
「今のお母さんは免疫機能がないんだよ。さくにゃあが暴れなければ何の問題もないんだよ。」にゃって。
にゃあ。そうにゃんだ。
って納得はしたけど、やっぱり怖いものは怖いにゃ。
お父さんの真剣な顔や爪切りも。
ふぎゃあ。こればっかりは僕が慣れるまで待っていて貰うしかにゃいと思うにゃ。
ふん、どうせ小心者にゃ。悪かったにゃ。