みゃ。朔太郎にゃ。
ねえ、鉤尻尾の猫は幸運を運んでくるんにゃって知っていた?
僕の尻尾は真っ黒で、しゅるんと長くて、先っぽのところでくにっと九十度に曲がっているんにゃ。
お母さんもご主人も尻尾のしゅるんと長い猫が好きで、僕の曲がった尻尾をとても残念がっていたんにゃ。
何故かおうちに代々いた猫さん達は、長い尻尾の猫さんばかりで、ご主人は特にれおん猫の尻尾が大のお気に入りにゃったみたい。
にゃものにゃから、僕の尻尾も真っ直ぐにならないかな、ってしばらくの間、暇があるといじっていたんにゃよ。
でも、一旦折れた尻尾は真っ直ぐに戻れないんにゃ。
にゃから「折れ尻尾」は僕の悪口の一つになっていたんにゃ。
でも先日、猫さんの番組を見ていたご主人とお母さんは、その中で「猫の鉤尻尾は幸運を呼ぶ。」って言われたのを聞いて、改めて僕の尻尾をまじまじ。
「そりゃあ、幸運を呼んでくれたら嬉しいけど、ね。」とは、お母さん。
「まあ、尻尾が曲がってようが真っ直ぐだろうが、さくにゃあはさくにゃあだもの。」とはご主人。
結局、僕の立場は変わらにゃい。
でも、それ以来、なんとなく「折れ尻尾」は僕の悪口に使われなくなったような気がするんにゃ。
これはある意味、良いことにゃんだろうにゃあ。にゃんにゃん。