ふにゃ。朔太郎にゃ。
おうちではご主人とお母さんがぽっちゃり体型にゃんだけど、何故かお父さんは、あだ名が『電信柱』って言うぐらい、すらっとしているんにゃよ。
お母さんは、「まるでうちで何も食べさせていないみたい。」って苦笑しているんにゃ。
ご主人やお母さんと違って、あんまり食べ物に拘らない、ってところがあるからにゃんだって。
朝ご飯は、「食べるより寝ていたい。」とかで食べないでお仕事に行っちゃうし。
お昼は外食。
夜はビールで晩酌。でも、この時のおかずにだけは拘っているんにゃよ。
絶対にお皿が三枚以上並んでいないと不機嫌にゃんだ。
だから、毎日、お母さんもご主人もメニューを考えるのが大変にゃんだって。
それに、好き嫌いも激しいんにゃ。
「よくあんなのと三十年もやっていたね。」というのが、ご主人がお母さんに告げた身も蓋もない感想。
お母さんはまたもや苦笑。
「まあ、甘やかしたのは認める…。」にゃって。
にゃあ、おかげで僕はいつもお裾分けをいただけるから何の問題もないんにゃけどね。
お父さんのおかずは美味しいし、猫の好物ばかりにゃんだよ。
でもこの頃、お父さんたら、僕にお裾分けしてくれる時、必ずお腹を触って一言言うようになったんにゃ。
「猫、うちの男は太っちゃあいけないんだぞ。」にゃって。
そのセリフを聞いて、ご主人は笑うんにゃ。
「さくにゃあは男じゃないよ。おかまだから。」
にゃー!去勢手術で僕のたまたまを取っちゃったのは、そういうご主人にゃ!
ご主人の言葉を聞いてしょげる僕を、お父さんは慰めるように撫でてくれるにゃ。
「まったく、うちの女どもは…。」っていうのがお父さんの口癖。
「猫、男は辛いなあ…。」にゃって。
どうやら口ではお母さんやご主人にはかなわない、って言いたいみたい。
にゃあ。ご主人とお母さんに対抗しようなんて、考えるだけ無駄なような気がする僕にゃのでした。にゃん、にゃん。