黒猫日記100

ふにぃ。朔太郎にゃ。
僕は、先輩猫のれおん君と比べられることが多いんにゃ。
おうちではどうしてなのか白猫さんの時代が続いていて、僕を貰う時にも「あれ?白くない。」って思ったんにゃって。
白くないのは僕のせいじゃにゃいんだけどね。
にゃ。勿論ご主人にゃって、そんなことは百も承知にゃ。
問題にするのは僕の性格にゃんだよね。
れおん君は、抱っこが好きで、ブラシが大好きで、お腹を撫でられるのが天国で、そっと寄り添ってくれる猫にゃったんにゃって。
僕の方は、といえば、極めて猫らしい、といえる性格にゃんだ。
すなわち、かまわれたくない、一人でいたい、触られたくない、出来ることなら一日中隠れていたい、気に入らないことはしたくない。
そりゃあ、気が向けばご主人をお出迎えしたり、後追いしたり、一緒に寝たりもするんにゃよ。
でも基本的には気まぐれな、典型的な猫にゃんだ。
ご主人も、お父さんもお母さんも、それが物足りないんにゃって。
ようするに、れおん君は物凄くマメな猫さんにゃったみたい。
僕もするけど、お父さんの晩酌のお付き合いは勿論のこと、ご主人やお母さんの話し相手もしていたんにゃって。
ご主人が病気になった時には、ずうっと寄り添って心配してくれていたんにゃって。
「れおん猫は優しかったよ。」ってご主人は僕が抱っこから逃げ出す度に言うんにゃよ。
しょうがないにゃ。僕は僕にゃんだから。
お父さんはもう半分諦めてくれたみたいにゃんだけど、ご主人とお母さんは時々寂しそうな声で僕に言うんにゃ。
「人間には猫をぎゅうって抱きしめて癒されたい、って思う時もあるんだよ。」にゃって。
にゃって、自由を束縛されるのは許せにゃいんだい!って反抗するのが僕。
結局、僕の性格とご主人の思惑は、相容れにゃい…。
にゃあ。これは夫婦なら性格の不一致、とやらで離婚問題になりかねにゃい大問題にゃ。
でも、ご主人もお母さんも初戦は猫好き。僕は猫である、ってだけで許されちゃうのでした。
文句をいくら言おうとも、猫のいない生活は考えられない一家にゃんだよ、このおうちは。
僕は、そういう訳で、我が儘を通すことが出来ているんにゃ。うにゃん。