黒猫日記98

ふみゃあ。朔太郎にゃ。
この頃、僕の日課にひとつ、増えた行動があるのにゃ。
それはね、かたずけてあるゲージを覗きに行くことにゃの。
今、ゲージは棚の一番上に乗っているんにゃけど、そこまでわざわざ上っていって覗き込むんにゃ。
僕がそんなことをし出したのは、そう、つき猫と姫猫がいなくなってからのことにゃんだ。
お母さんが見ていると、一日に二三度、必ず覗いて確認しているのがわかる、って。
「寂しいのかなあ。」ってご主人。
「どうかな。まだあそこにいるような気がしているんじゃない?」とはお母さん。
「まあ、また現れておっぱいをねだられちゃ、たまらない、っていうの藻ありかな。」お母さんは笑って言うんにゃ。
「まだ臭いが残っているんだろうしね。」
ふん。僕の気持ちが分かってたまるか。
そりゃあ、うざったくて、ちっこくて、邪魔くさくて…、可愛くて…。
にゃあ!いなくなって清々してるんにゃ!寂しくにゃんかにゃい!
ご主人も独り占めできるし、お父さんの関心も独り占めできる。
にゃ。良いことばかりにゃ。ふん。
でも、ご主人が頭を撫でながら言うにゃ。「背中に哀愁が漂っているよ。」
にゃあ。人生に色々あるように、猫生にも出会いと別れがつきもの、ってか?
僕も大きくなるにつれ、色々経験を積んで行くんにゃなあ。
寂しくにゃんかにゃいもん…。