黒猫日記95

にゃお。朔太郎にゃ。
つき猫におっぱいをせがまれるのは、男の僕としては鬱陶しいことこの上なくて、つい猫パンチが出てしまうのにゃ。
でも、決して本気なんかじゃないんにゃよ。
ちゃんと爪は引っ込めてあるし、勿論手加減もしているにゃ。
それでも「大人げない。」ってご主人に怒られるにゃ。
僕は多分、兄弟と一緒に捨てられていたはずなんにゃけど、拾われた時にはただ一匹だけになっていたし、このおうちに来てからは、実体のある猫としては僕だけだったにゃ。
にゃから僕は、他の猫さんと共同生活する術を知らないんにゃよ。
それが突然、小さい猫、それもまだおっぱいを欲しがるような奴と同居、なんて僕にどう対処しろって言うんにゃ?
おまけに大好きなご主人の愛情まで取られかけているし。
んにゃあ。僕は平穏な日常を返して欲しいだけにゃ。
にゃけど、つき猫は無邪気にすり寄ってくるし、逃げても追いかけてくるし。
にゃあ。ちょっとばかし途方に暮れている僕なのでした。にゃん。