黒猫日記90

みゃお。朔太郎にゃ。
やっと、やっとご主人が帰って来たにゃ。
あんまり嬉しくて、玄関でお出迎えついでに足に甘えまくっちゃったにゃ。
僕のあまりの歓迎ぶりに、ご主人も呆れていたにゃ。
そしたらお母さんが笑いながら、ご主人のいない間の僕の様子を報告。「結構、大変だったわよ。」
ご主人、再び呆れて、でも僕を抱き上げてぎゅうしてくれたにゃ。
「こら、さくにゃあ。私、ちゃんと出かけてくるよ、って言ったよ。」
ご主人は苦笑。
「れおん君より厄介だよ、さくにゃあは。」ってお母さんの追い打ち。
いーにゃん!にゃって、寂しかったんにゃもん。
僕はついお母さんを睨んでしまったにゃ。
ご主人は僕の頭を撫でながら、「私の留守にも慣れてくれないと…。」
え~!それって、またいなくなっちゃう、ってこと?
にゃー!そんなのイヤにゃ!絶対拒否!
僕はご主人の腕の中で必死に大抗議。
そんな僕の行動をお母さんが見抜いて一言。
「さくにゃあが駄目だって言ってるわよ。」
お母さんは猫の気持ちを言い当てる名人らしいにゃ。
ご主人は苦笑して、僕と真剣に向かい合ってお話。
「あのね、さくにゃあ。私にも都合というものがあるの。お仕事で留守にすることも、お付き合いで留守にすることも、いろいろあるの。さくにゃあには束縛する権利はないんだから、大人しくお留守番してなさい。」
その話には僕は大抗議。僕のご主人である以上、僕にはご主人を独り占めする権利があるにゃ!
そんな僕の意見をご主人は暫く無言で聞いていたけど、やがてお母さんに一言。
「これって、かなりの文句だよね?」
そうにゃんだ。ご主人には僕の猫語が通じないことが多いんにゃ。
「そうみたいね。大体、れおん君と同意見みたいよ。」
お母さんはクスクス笑っているにゃ。
「…。」って、ご主人の感想。
それからため息を一つついて一言。
「何故に白猫と同じことを黒猫も言うかなあ…。」
にゃんだか、僕はむっとしたにゃ。にゃに、それ。僕は僕の意見を言っただけにゃ。白猫なんて関係ないにゃ!
にゃんか、この頃特に白猫れおん君と比べられるようなきがするにゃ。僕は僕にゃのに。
う~。にゃんか、無性に腹が立つにゃ。先輩猫はライバル、にゃのかにゃあ…。