黒猫日記87

にゃおん。朔太郎にゃ。
僕はご主人が大好きで、独り占めしたい、といつも思っているにゃあよ。
でも、その邪魔をするのは、お母さんばかりとは限らないんにゃ。
勿論、子離れしていないお母さんは、ご主人がおうちにいる間中、何かとひっついているんにゃけど、それ以上に厄介な存在がちゃんとご主人にぴったりとくっついているんにゃ。
それは誰かって?ふにゃあ。それはなんと、先輩猫のれおん君なんにゃよ。
え?れおん君は天国にいるはずじゃないか、って?
うん。僕もご主人もそうだとばかり思っていたにゃ。
でも、ね。お母さんにはしっかりとご主人の左肩の上に乗っかっているれおん君が見えているんにゃって。
どうやら完全にご主人の守護霊猫になっているらしいのにゃ。
僕がご主人の左肩から感じていたプレッシャーの正体がそれで納得できたんにゃ。
それに、実質被害もあるにゃ。
ご主人に抱え上げられて左肩の上にお顔を出すと「ぺしっ!」
そうなのにゃ。僕の顔に猫パンチが飛んでくる感触。
そして、夜、僕がご主人のお布団に「一緒に寝よう!」とお誘いに行くと、必ず「ぺしっ!ぱしっ!」
それは「ご主人に手を出すな!」と実力行使されているに違いなく、僕はすごすごと引き下がらざるを得ず…。
そうにゃの。僕はこのおうちに来て一年以上経つのに、まだご主人と一夜を共にしたことはないんにゃ。ぐすん。
余りにも寒くて、お母さんの布団に避難したことはあるんにゃ。不本意にゃがら。
でも、是非とも一緒にいたいご主人のお布団にはそういう訳で進入禁止。
最初、ご主人もなんとか僕と寝ようと努力してくれたんにゃ。
だけど、お布団に入れた途端、びくっとして後ずさりして逃げ出す僕の様子を見て、「もしかして?」って思ったんにゃって。
そうにゃの。この頃は僕にはその姿すらありありと見えちゃっているんにゃよ。
そして、ことごとく僕がご主人を独り占めしようとするのを邪魔してくれるんにゃ。
にゃ~!僕はどうしたら良いんにゃろう?
「とりあえず、れおん猫より強くなれば?」っていうのがお母さんからのアドバイス。
それ以来僕は、頑張ってご飯を食べる日々を送っているところ。何せ、体が大きいことが猫にとっては強さの象徴にゃからね。
さて、そんな僕の苦労はいつににゃったら報われるのかにゃあ。え?僕の性根が直らない限り無理?にゃー!それを言っちゃあお終いにゃよ!