にゃお。朔太郎にゃ。
夕べ、みんなでご飯を食べていたら、なんだか変な気配を感じたんにゃ。
思わず気配のする方へ走って、じいっと見つめていたにゃ。
僕のそんな行動は初めてにゃったから、みんなびっくりして僕のことを見ていたにゃ。
でも僕はそんなことに構っていられにゃい。
ひたすら天井の隅と睨めっこ。
そして、天井に上ろうと柱を駆け上る始末。
終いには天井に向けて「にゃあ!にゃあ!」
それを見てお父さん曰く。「何かいるのかな?お化けか?」
お母さん。「私には何も見えないけど。」
お母さんは見える人なんにゃ。
「近くで葬式でもあるんじゃない?このうちは通り道だから。」
そうなんにゃ。このおうちはちょっと変わったおうちなんにゃ。
だけど僕の行動には別の意味があったんにゃ。
突然、がたがたがたん!天井裏を疾走する足音。
僕も足音を追って疾走。
みんなの視線も後を追う。
「…ねずみ…。」と、ご主人。
「地震で余所から逃げて来たのが住み着いたかな。」と、お父さん。
「ねずみが住んでいる家は潰れない、って言うからこの家ももう暫くは保つか。」
そこでみんな笑い声。
でも僕はそんなの聞いていにゃい。
ひたすら天井と睨めっこ。でもあいつはそれっきりなりを潜めてしまう。
そこでご主人の突っ込み。
「さくにゃあ。おもちゃじゃなく本物のねずを捕ろうね。」
「え?前にぬずを見て後ずさりしてたじゃない。」と、お母さんの逆突っ込み。
「う…。」と、詰まるご主人。
「根性無しで臆病だからな。」と、お父さんも。
そうなるとご主人は僕の飼い主である立場上、黙っていられにゃい。
「…さくにゃあだって、もう大人だし。れおん君だってねず捕ったし。」
そしてご主人は僕を呼び寄せて曰く。
「さくにゃあ。ねず捕ってきて。プレゼントにねずが欲しいな。」
ご主人、それはプレッシャーというものにゃよ。僕には僕の立場とか言い分とかあるんにゃよ。
なにせ僕はまだ本物のねずを捕ったことがないにゃ。対決すらしたことがないにゃ。
そんな僕が最初の対決で成功すると思うんかにゃ?
でも、ご主人の物凄い期待の眼差し。
にゃー!にゃー!にゃー!
窮地に立たされた僕。だ、誰か助けてにゃあ!
(ふふふ。大いに期待しているよ、さくにゃあ。れおん君はちゃんとプレゼントしてくれたからね。by飼い主)