黒猫日記73

にゃ。朔太郎にゃ。
イヤなご時世になったものにゃね。
って、お母さんのこの頃の口癖。人間の愚かしさと醜さに嫌気がさしているんにゃって。日本人の美徳はどこに行っちゃったんだ?ってひたすら嘆いているんにゃ。
そんなこと言われても、猫の僕には関係ないにゃ。
僕のかりかりはいつも少しストックがあるもん。
って、それはお母さんが用心深いからにゃんだよね。
だからおうちは買い占め買いだめに走らなくても、しばらくは大丈夫。食いしん坊のご主人も空腹になることもないにゃ。
でもご主人は僕に、「この機会にダイエットしようね、黒猫だるま。」にゃって。
例の夏目友人帳のにゃんこ先生が「猫だるま」って呼ばれていたのを見て以来、僕は「黒猫だるま」と呼ばれることが多いんにゃ。
にゃんこ先生は他にも「猫大福」とか、「へちゃむくれ」とか呼ばれていて、ことごとく僕にも当てはまるってご主人は手を叩いて大笑い。
この間はにゃんこ先生にそっくりな黒猫が出てきて、それが僕そのものだ、って家族三人に大ウケ。
「やっぱり白と黒、両方並べてみたいね。」という結論に達したみたいにゃ。
え?それって…?
そうにゃの。おうちでは今度二匹目の猫を飼う方針みたいにゃ。しかも、白猫。
にゃあ…。それって、僕はみんなの愛情を独り占めできなくなるの?ご主人は僕のじゃなくなるにゃ?にゃ~!うにゃ~!