黒猫日記62

みゃあ。朔太郎にゃ。
うちのご主人は、お風呂上がりに体重計に乗っかって一喜一憂しているにゃ。
それを日課にしているのに別に文句はないんにゃけど、夕べは何を思ったのか、僕を呼んで抱っこして体重計に一緒に乗っかったのにゃ。どうやら僕の体重を調べたかったらしいにゃ。
結果、五キロ。
「…やっぱり、おでぶ猫だったのね…。」
それがご主人の率直な感想にゃ。
「重たいなあ、とは思っていたけど、お米と同じだとは思いたくなかった…。」にゃって。
放って置いて欲しいにゃ。余計なお世話にゃ。
ご主人のため息に僕は反論したんにゃ。
僕はまだ育ち盛りにゃし、大きくなりたいと思うのは男の本能にゃんだ。
大きく強くなってテリトリーや女の子を守るんにゃ。
ふん。僕だって色々考えるお年頃にゃんだよ。
大きく、強く、賢くなって、ご主人を独り占め…あわわ、否、よその男から守りたい、とか思うんにゃよ。男にゃもん。
出来ることなら黒豹さんになって、ご主人を背中に乗っけてみたいにゃあ。にゃんてね。
あ、違う、違う。僕はちゃんと化け猫になって、ご主人をお嫁さんに貰うつもりにゃんだからね。え?年の差?多少の年の差にゃんて、僕は気にしにゃい。猫の僕ならあっと言う間に追いつくから。
ね、ご主人。僕の体重にゃんか気にしている場合じゃにゃいでしょ?
さあ、がんばってもっと大きくなるにゃあ!