黒猫日記60

にゃん。朔太郎にゃ。
うちのお母さんは今、かなり視力が落ちてしまっているんにゃ。
にゃからほとんど真っ黒な僕は、保護色になっちゃって、足元にいるといつもつまづくんにゃよ。僕はつまづかせる気はにゃいんにゃけどね。
そんなお母さんでも以前は大の編み物好きで、暇さえあれば編み針を動かしていたんにゃって。今となっては一日中ぼうっとしているしか能がないように見えるんにゃけどね。
そんな履歴があるものにゃから、このところ変な物を作るのにはまっていて僕は困っているんにゃ。
まず手始めに、ご主人の携帯に付けられたぬいぐるみに毛糸でフード付きケープを作って着せたにゃ。
昔取った杵柄、っていうのかにゃあ。手が覚えているものか、編み目がよく見えていない癖に模様編みまでこなして、一見可愛らしいのを作っちゃったんにゃ。
それに味をしめちゃって、お向かいのもこちゃんのケープまで作り出しちゃったにゃ。
そこまではいいんにゃ。困るのは、寸法も、モデルも僕にゃってこと。
なにかっつーと僕を捕まえて、あのこの寸法がどーの、この模様が可愛いんじゃないか、とか、いちいち僕に着せてみて判断するんにゃよ。
まったく、その度にリボンを巻かれたり、ひらひらをくっつけられたりする僕の身にもなって欲しいにゃ。
自由を奪われた上に恥ずかしい…。
僕はこれでも男にゃ。去年のうちに去勢されてタマはなくなっちゃったけど、気持ちは男前にゃ。ふりふりやレースやリボンは勘弁して欲しい…。
そんなことを考えてはいけない、何て事はにゃいよねえ?
(ははは。ごめんよ。別にそんなつもりじゃあないんだよ。だけど余りに可愛いものだから。結構、ふりふりのケープも似合っていたよ~。by飼い主)