黒猫日記44

にゃん。朔太郎にゃ。
朝晩寒くなってきた今日この頃。お父さんはとうとう小さい電気ストーブを引っ張り出して来たのにゃ。
僕は電気ストーブを見るのも初めてにゃ。にゃから最初、その反射板がきらきらするのにたじろいで遠巻きにしていたんにゃ。
でも、お父さんがいざスイッチを入れて、ストーブが赤くなって、ぬくぬくの空気が僕の毛皮に届くと、僕はもうストーブの虜になったにゃ。
にゃんて気持ちよくぬくいんにゃろう。僕はストーブの真ん前に陣取ることを覚えたにゃ。
もともとお父さんはとっても寒がりで、この季節は一人でストーブにあたっているんにゃ。うちの人達はみんな「おこた」というものが大好きにゃんだけど、おこたをつくるとお父さんがこたつに首まで入ったきり、一歩も動こうとしない「こたつむり」状態になるのが目に見えていて、お母さんもご主人もそれが嫌にゃんだって。
にゃからおうちでは十二月までおこたをつくらないことになっているにゃ。
どんな猫でもおこたは好きだよ、ってご主人は言っているけど、僕はおこたを知らないからどうだかわからにゃいにゃあ。今はお父さんとストーブでぬくもるからにゃんでもかまわにゃいにゃ。
でもストーブには気をつけなくちゃいけないんにゃって。
先輩猫のれおん君は、この電気ストーブで尻尾を焦がしたことがあるんにゃって。
ふるふるふる。僕の尻尾は先っぽが曲がっているから、もっと重傷になるかも…。暖かいのはいいけど、熱いのと火傷は嫌にゃ。
(そうだね、十分に気をつけるように。白猫なら焦げたらわかるけど、黒猫は目で見てわからなさそうだから、こっちで気をつけてあげられないからね。by飼い主)