黒猫日記30

ふみゃあ。朔太郎にゃ。
僕、今とってもご主人に嫌われているのにゃ。それがもの凄く辛いにゃ。どうしてかって?あの、ね。聞いてくれるかにゃあ?
おうちに来てからもう四ヶ月。僕も生まれてから八ヶ月。人間の年で言うと十五・六歳。思春期まっただ中にゃ。んにゃもんで、猫の雄に特有の現象が起きたんにゃ。そう、マーキング。縄張りや所有権を主張したいものにおしっこをかけて臭い付けしちゃうのにゃ。最初はおうちのお部屋のかどっこに臭い付けしてお母さんにイヤな思いをさせていたにゃよ。お母さんは漂白剤とファブリーズで対応したにゃ。僕も猫の本能だから、ってお母さんに睨まれただけで大目に見てもらえたにゃ。だから、って訳じゃにゃいんだけど、僕は大好きなご主人のお布団にマーキングを始めちゃったんにゃ。にゃって、ご主人に僕の臭いを染み付けて僕だけのものにゃんだって主張したかったんにゃもん。ご主人ったらこの頃しょっちゅう朝も早よからお出かけして夜遅くまで帰ってこないんにゃよ。お仕事だって言うんにゃけど、絶対全部がそうじゃないのは僕にだって分かるにゃ。僕はしっかりご主人を繋ぎ止めておきたくて、他の猫に譲りたくなくって、僕の臭いをつけようとしたんにゃ。でもそれは人
間にはえらい迷惑だったみたい。お母さんとご主人は二人でお布団をお日様に干したりカバーやシーツを洗ったり一日中てんてこ舞いしていたんにゃ。それでも臭い、って、お母さんは消臭剤を持って家中に巻いて歩いてるにゃ。そんなもんにゃから僕は、ご主人に触ってももらえないくらい嫌われちゃったにゃ。もう「お余所の猫になれば、」にゃって。ふみぃ~。ごめんにゃにゃい!悪気はなかったにゃよ!もうしにゃいから許して!
(猫の本能だって事は分かってはいるんですよ。でも、あの臭い、すごすぎる…。いい加減、勘弁して…。by泣きの入っている飼い主)