レオン猫の日記81

にゃん。れおん猫にゃ。
常日頃、ご主人をお嫁に欲しい!と言っている僕にゃ。そしたらお母さんが夕べは面白い夢を見たんにゃって。
僕がアタッシュケースを引きずってきて、お父さんとお母さんの前に、どうぞ、ってしたんにゃって。中には一万円札の束が一億円。そして、唖然とするお父さん達に僕が日本語で言ったんにゃって。
「これは結納金です。お嬢さんをお嫁に貰いに来ました。」
お酒に酔うと僕に、
「娘を嫁に欲しければ一億円を持ってきてみろ。」って言っているお父さんは、それを聞いてしばし沈黙。それから、
「お金はともかく、猫にはやれない。」
それを聞いた僕は、葉っぱを一枚頭に乗せて、ぴょん、と宙返りしたんにゃって。そしたら僕はどろん!と変身して人間になったにゃ。だけどそれは、十四歳の猫の人間年換算、八十くらいのじーさん。それを見たお母さん。
「いくらなんでもじじいじゃねえ…。」
僕はむっとして、もう一回、くるん、どろん!
次に現れた僕は、サラサラ黒髪ロングへアの結構イケ面。お母さんは、
「それ、イマイチ娘のタイプじゃないよ。」と冷たい一言。僕は半分泣きそうににゃって、
「ふぎゃ~!」って言ったら、頭の葉っぱが落っこちて、元の白猫に戻っちゃったにゃ。ついでに札束もどろん!って葉っぱに戻っちゃったにゃ。
お母さんはそこで目が覚めたんにゃって。ご主人と大笑いして話していたのを聞いたんにゃけど、それってあんまりにゃ。僕の気持ちはどうしてくれるにゃ。ご主人をお嫁に貰う、という僕の夢は!お母さんはだから嫌いにゃ!