姫猫日記27

にゃ。兄姫(えひめ)にゃ。
この頃はめえたんと呼ばれているにゃ。
それはそうと、何故かこのところ、朔にゃあの株が上がってきている気がするの。
あたちにはいつも通り、気が弱くてヘタレで温和しい朔にゃあにしか見えないんにゃけど、ご主人とお母さんには見えているものが違うみたい。
確かに、お出迎えもお見送りもするし、お返事もするし、お手とお代わりと両手も上手なのは認める。
あたちには出来ない…。
あたちにはその代わり、お父さんにお愛想とお腹撫で撫でをさせてあげるという必殺技があるにゃ。
お腹を撫でられると後ろ足で蹴りを入れたり甘噛みをしたりのオプションも付くけどね。
お父さんにはこれは凄く好評なんにゃ。
ビール飲みながら目尻下げてるもん。
だけどご主人とお母さんはシビアなの。
あたちがいくらおべっかを使って、ほっぺを舐めてあげようと、簡単にはおやつをくれたりしないの。
「めえたんは性格が良くないから魂胆が丸見えなのよねえ。」って笑うだけ。
朔にゃあはへたれだけども正直なんだって。
策略なんて使わずに一生懸命アピールする健気さが可愛いんにゃって。
なんだかあたちが原黒悪女みたいじゃない。
お母さんにはさんざん「女王様」って言われているけどね。
だからこの頃、ご主人がお布団に連れていくのは朔にゃあなの。
でもあたちは負けていない。
夜中には朔にゃあを追い出して、しっかりあたちがご主人と寝ているにゃ。
ふん。結局は実力主義にゃよね。
あれ?やっぱりあたちは悪女なのかしらん?