んにゃ。朔太郎にゃ。
お母さんの調子が悪いと、ご主人がやたら忙しがって僕をかまってくれないんにゃ。
お母さんの面倒を見て、お父さんの面倒を見て、なんてやっていると、「さくにゃあにまでかまっていられない。」んにゃって。
ぐすん。そりゃあ、うちのお父さんは手間のかかる人にゃ。
お母さんがいつもぼやいてるにゃもん。「仕事以外はなんにもしない人」にゃんだ。
おうちに帰ってきて、定位置の座椅子に座ると、もうそれきり動かにゃい。
今はお母さんが動けないから、トイレに立つついでに自分でビールを冷蔵庫から出したりもするようになったんにゃけど、昔はお母さんが靴下を脱がせたり、お風呂まで連れて行って頭からつま先まで洗ってやったりしていたんにゃって。
「そうやってお母さんが甘やかしたから、今私が苦労する。」ってご主人はしかめっ面。
「将来、結婚したら役に立つから。」とお母さんが慰めているにゃ。
んにゃ?結婚って何にゃ?
「相手を見つけてから言ってくれ。」とはご主人の反論。
にゃあ。なんか異常に気になる単語が出て来たにゃ。
思わずお母さんに「?」って聞いてみたんにゃけど、いつもは僕の思いを言葉に出さずとも察してくれるのに、今回はお母さんからも「さくにゃあ、なあに?」の疑問符。
んにゃあ。けれども、無口が男の魅力だと信じている、本当はボキャブラリー不足の僕としては、「それって何?何のこと?」って追求するのも美学に反するにゃ。
にゃから、この頃は横目でお母さんを睨みながら「この分からず屋!どーして汲んでくれにゃいの!」というオーラを飛ばしまくる僕なのでした。にゃんにゃん。