黒猫日記78

ふにゃあ。朔太郎にゃ。
春にゃね。僕は眠くてたまらないにゃあよ。
でも、そんな僕よりもっとお寝坊さんなのがご主人なんにゃ。
いつもお母さんがいくら起こしても返事だけでなかなか起きてこないんにゃ。
お母さんも呆れ果てて、とうとう僕に「さくにゃあ、起こしてきて。」にゃって。
僕も早くご主人に遊んで欲しいから、ご主人のお布団に行ってとんとんしてみるんにゃけど、まるでダメ。
んにゃあ、と踏み台にして出窓に飛び乗ってみるんにゃけど、これもダメ。寝返りは打つんだけど全然起きてくれにゃい。
ふにゃ~、と僕は途方に暮れたにゃ。
さっさと起きてくれにゃいと、また慌ててコケるんにゃよね。時間が迫ると凄くおっちょこちょいになるにゃ、ご主人って。
にゃんて思いにゃがら出窓に佇んでいると、朝のお日様が気持ちいいにゃ。
にゃ~、ってのびのびしたらつい足が滑ったにゃ。
うにゃ!猫も引力には勝てなかったにゃ。
どすん!と落っこちたのは丁度ご主人のお腹の上。
おかげで僕に怪我はなかったんにゃけど、ご主人は「ぐえっ!」って車にひかれた蛙みたいな声を上げたにゃ。
いや~な予感を覚えた僕は、ちゃっちゃとお母さんの待つ居間へ。
そこへぬぼーっと現れたご主人。
お母さんが一言。
「なあに?まるでゾンビみたい。」
お父さんがそれに乗っかった。
「それって、ゾンビですか?」
そこで三人顔を見合わせて大笑いにゃ。
それはお父さんが今ハマっているアニメのタイトル。何かって言うと出てくるんにゃ。
ご主人はお腹をさすりながら「変なとこで笑わせないでよ。さくにゃあがお腹に落ちてきて物凄く痛かったんだから。」
「あら、さくにゃあったら実力行使したのね。」
お母さんは僕を撫で撫で。
ご主人は僕を睨みつけて、「さくにゃあ、覚えてなさいよ。」
僕は思わず耳をぺたんとして、こたつの中に逃げ込んだのでした。にゃんにゃん。
う~、後が怖いにゃ~。