にゃ。朔太郎にゃ。
おうちにはおうちのルールがあるって、お父さんは良く僕にお説教するんにゃよ。
先輩猫のれおん君が、「お手」「おかわり」「両手」っていう芸が出来たものにゃから、僕にも「やれば出来る」にゃって。
まあ、僕にだって意地も根性もあるから、お母さんの特訓も受けて、かなりがんばって、全部出来るようになったんにゃよ。すごいでしょ?っていっても、お腹の空いている時しかやらないんにゃけどね。うにゃ。
でも、猫に「お手」をやらせようとする家族っていうのも、かなり変わっているよね?
僕はこの家の中でしか自由に遊べないんだけど、狭い家の中でも入っちゃいけない場所があるんにゃ。
まずお風呂場。洗濯する時に残り湯を利用する都合上、お風呂場の扉が開けっ放しになっていて、バスタブのお湯も溜まったまんまだから、僕がはまって溺れたら大変だからにゃんだ。でも、誰かがお風呂に入っている時は、僕が覗きに行っても構わないんにゃ。れおん君もそうだったんにゃって。いっそのこと一緒にお風呂に入ろう、ってみんなで僕のことを誘うんにゃよ。さすがにご遠慮申し上げるんにゃけどね。大体、猫と一緒に湯船に浸かろうなんて、贅沢すぎる考えだと思うにゃよ。猫にだって選ぶ権利はあるにゃ。
とはいえ、僕もあまりお湯に入るのが好きとは言えにゃいから、お母さんが「お風呂にはいるならさくにゃあ専用のタオルを用意してあげる。おでこに乗っけて、言い湯だにゃあ、ってやって欲しいな。」っていくら期待しても、ちょっと無理。
ほんと、ここんちの人間って、かなりユニークだと僕は思うんにゃけど、それって僕だけ?