黒猫日記13

にゃ!朔太郎にゃ。

僕の名前がどうして「朔太郎」になったのかは最初に説明したよね?でも、お母さんは「もう一つの意味があるのよ。」って笑うんにや。それはね、秘密でもにゃんでもないんにゃけど、僕が黒いことと関係があるんにゃって。

お母さんが最初に僕を見た時、辺りが暗かったせいもあるんにゃけど、お目目がきらきらしていて黒い毛皮で、まるで月のない夜空のよう、って思ったんにゃって。その時は僕はもう「さくら」だったんだけど、お母さんは一瞬、夜にちなんだ名前を付けたいな、って思ったんにゃって。そのあと僕が男の子だって解って、名前をどうしよう、ってことににゃった時、ご主人は僕のことを「さく」って短く呼んでいたせいもあって「さくたろう」に決めて、字は「朔太郎」にしたんにゃ。朔は新月の日のことで、月のでない日にゃの。つまりお母さんの第一印象の、月のない夜空、ってことにゃ。

「朔太郎のお目目はきらきらだからね。」ってお母さんは満足そうにゃの。でも、ようするに僕は真っ黒つやつや、って言いたいだけにゃんじゃにゃいのかにゃあ?変に名前に拘って、自己満足しているお母さんにゃ。